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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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米国社会の分裂 その1 [2012年03月14日(Wed)]
米AEIの政治・社会学者Charles Murrayが、その著書 ”Coming Apart:The State of White America, 1960-2010”の中で、この半世紀間に、米国ではかつてなかった階級が生まれており、米国は人種ではなく、階級によってバラバラになりつつある、と言っています。

すなわち、1960年頃の米国は、成人の8%ぐらいしか大学の学位を持たず、裕福な者も、他人よりやや生活水準が高い程度で、生活スタイルはさほど違っていなかった、

ところがその後何十年かの間に様相は一変し、新上流階級が生まれた。新上流階級は、管理職、医療・法律・エンジニアリング・建築・科学・学術分野の専門家、そしてメディアのコンテンツの制作に携わる者で、25歳以上の成人のうちの最も成功した5%から成る。2010年当時で140万人強、配偶者を入れれば240万人ほどだ、

新上流階級は米国の主流とは異なる文化、生活スタイルを生んだ。外車に乗り、高齢出産の傾向が強く、肥りすぎないよう注意し、ワインを飲み、煙草は飲まず、テレビは見ず、海外旅行・出張・外国人との付き合いなど、普段から外国との接触がある。育児に熱心で、フレックスタイム、斬新なオフィスの配置など、職場革命の中で仕事を楽しむ、

新上流階級の基礎は、頭脳の市場価値が高まったことにある。技術水準が高まり、事業の決定がより複雑となり、会社の規模が大きくなるにつれ、高い認識能力が求められる。新上流階級はIQや認識力の高い者を構成員とする。

また、富が新上流階級の発展を可能にし、その独特の生活スタイルを可能にした。1970年〜2010年の間、中間層の実質所得は増えず、経済成長の利益のほぼすべては所得分布の上位半分が手にした。また、1990年代半ば以降、高額所得層のトップが目覚ましく上昇、そうしたトップ5%に新上流階級のほぼ全員が入る、

新上流階級は仲間で集まる強い傾向があるが、それを可能にするのが、認識力、IQによる大学の階層化であり、その結果、学問的才能は比較的少数の大学に集中するようになった。そしてこうしたエリート化を持続させるのが、優秀な者同士の結婚、同類婚だ、

要するに、新上流階級の文化は豊かさの産物ではない。それは豊かさが可能にしたものなのだ、と言っています。


マレイは、シカゴ大学の全国世論調査センターが毎年行っている米国社会の変化に関する調査をはじめ、多くの調査データを駆使して、「新上流階級」と「新下層階級」を比較分析しています。

マレイによれば、「新上流階級」はIQ、認識力が極めて高いエリートで、裕福であり、米国の主流とは異なった独自の文化を共有しています。彼らと貧困層との間には、単に貧富の差だけではなく、まったく異なる生活文化があるとしており、この点は「新下層階級」の説明でさらに明らかになります。

また、マレイは白人を対象に調査、分析していますが、黒人や他の少数グループを入れてもほとんど変わらないと言っています。果たしてそうなのか疑問も残りますが、この点はのちにさらに取り上げます。




Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:46 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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