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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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強国としてのドイツと中国 [2012年03月08日(Thu)]
仏ル・モンド紙2月14日付で、同紙論説主幹のSylvie Kauffmannが、ユーロ危機や現在の国際情勢下でドイツと中国の地位が向上していることを指摘しています。

ドイツは、EUの外では尊敬され、評価されているが、EU内では、ユーロ危機の中、ドイツが欧州のリーダーとして台頭すればするほど嫌われる。ドイツ台頭の理由は、人口や経済規模だけでなく、ドイツが他国より上手く自国経済を運営してきたからだ。そうした中、経済危機が深刻になり、他国が頼りにならないため、ドイツは否応なくリーダーの役割を担うようになってきた。メルケル首相が訪中し、欧州への投資を求めた時の姿は、正にEUのリーダーとしてのものだった。また、ダボス会議でメルケルが欧州の「政治統一」を提唱した時も、ドイツからの提案だったからこそ注目を集めた。何よりも昨年11月、ポーランド外相がEU議長役を退く際、「私が恐れるのは、強いドイツではなく、何もしないドイツだ」と述べたのには驚かされる、

これこそがドイツのジレンマだ。行動しても揶揄されるが、何もしなければ非難される。しかし、今のドイツには謙虚さと共に自信も窺える。それは、ドイツ軍のアフガン撤退に際しての「アフガン駐留NATO軍に参加したことで、ドイツ連邦軍とドイツ国家は大きな変貌を遂げた・・・我々は、同盟国からも尊敬される真の軍隊になった」、というドイツ国防相の言葉にも表れている、

ドイツが欧州の支払いを肩代わりする中、独メディアも黙っていない。「ドイツは、1945年以来決して望んではならなかった地位に今就いている。それは、欧州の真ん中で支配的地位を占めるということだ。しかし、我々は確固たる態度を取ることと、傲慢であることを混同してはならない。我々の力は本物であり、脅威にもなるからだ」

一方、新たな世界情勢の中で中国の地位も向上した。ドイツ同様、中国もその経済力によって思っていた以上に政治的、外交的地位を高め、予想以上の多大な責任を担うことになった。リビアでは、3万5千人の中国人労働者を退避させなければならなくなり、スーダンでは、中国人の人質解放に向けて交渉しなければならなかった。中国は自らの経済成長を支えるために、世界中で資源やエネルギーを求め続けなければならないのだ。しかし、中国の空母建設や軍事予算の増大、そして独裁制度の維持は、近隣諸国の脅威になっている。中国には、その地位に応じた責任ある態度が求められているが、中国が行動すると、周囲は怯える。なぜなら、中国が描く世界が我々にはわからないからだ、と述べ、

ドイツは自らの強みを活かしたいだけなのか、それとも、統一欧州のリーダーとして行動したいのか。中国は超大国の地位が欲しいのか、それとも、多極化の中で責任ある一員となりたいのか。中国も、ドイツも、迷っているようだ、と指摘しています。


かつては、日独両国が世界経済の牽引役と言われましたが、今やその地位を占めるのはドイツと中国です。1990年のドイツ統一とその後のEU拡大、そして、ケ小平が推進してきた「改革・開放」の成功から、将来、「東の中国、西のドイツ」と言われる時代が到来することは、既に1990年代に予感されましたが、それが現実になったことを明確に示したのがこの論説です。
 
ドイツも中国も、近隣諸国には嫌われながらも、その経済力と軍事力を背景に国力を強化してきた結果、現在、両国共、自分が思っていた以上の国際的地位を獲得し、それに自信を持っています。

論説の大部分はドイツに関する記述ですが、中国に関してリビアやスーダンに触れているのが、フランス人らしいところです。アフリカ大陸にまで大勢の中国人が進出していることへの驚きと警戒心の表れでしょう。

また、ドイツが経済力のみならず軍事力にも自信を取り戻したことに、日本との大きな相違を感じます。ドイツは独立後、憲法を制定し、それを何回も改正してきた歴史があります。また、徴兵制度があり、武器の共同開発・生産も早くから推進するなど、同じ敗戦国ながら、日本との違いに驚かされます。日本も、遅まきながら、国力回復のために一つ一つ具体的政策を実行していくことが肝要でしょう。



Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:04 | 欧州 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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