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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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中国の二面性を理解せよ [2012年03月07日(Wed)]
Foreign Policy2月14日付で、Jeffrey Bader元米国家安全保障会議アジア上級部長が、習近平の訪米の機会をとらえて米国の対中認識について論じています。

すなわち、中国について、米国には、地域支配、さらには、世界的支配のビジョンを持つ独裁的指導者の下で台頭する国という見方がある。つまり、軍にとっては敵、企業や労働組合にとっては保護主義と減税を求める理由、タカ派にとっては脅威、人権派にとっては問題の国、そして米衰退論者にとっては早めに適合すべき超大国というわけだ、

確かにここ40年の中国の成長は目覚ましく、間もなく世界最大の経済大国になるだろう。軍事力も伸びており、外交面でも、イラン、北朝鮮、シリアに関する米国の努力の成否に影響を与える存在になっている、

しかし中国の現実は、GDPの成長や軍事費の増大が示唆するよりもはるかに複雑だ。一人当たり所得は米国の10分の1、世界的なブランド企業はほんの一握りで、多くの企業は国内向けか、外国ブランドの下請だ。研究開発面ではイノベーションは少なく、所得格差は大きい。水不足を含め環境面でも大きな問題を抱えている。輸出主導・外国直接投資導入・共産党とコネを持つ国営企業支配という経済モデルは限界に来ており、抜本的な改革を必要としている、

一方、国民は権力の乱用や、統治への参加を許さない政治システムに不満を高めている。チベットの統治も上手く行っていない、

習近平が統治する中国はこのように複雑であることを、米国民は念頭に置くべきだ。中国は競争相手だが、同時に大きな問題を抱えている国でもある。習近平が改革に乗り出す場合は、その成功が米国の利益になる。中国やその指導部を非難しても、中国の路線は変わらないし、中国がその民族的運命を達成することを阻止はできず、かえって中国は米国をパートナーではなく敵対者と見るようになってしまう、

中国は改革へのコミットメントを再確認すべきだが、米国も手っとり早い勝利を追い求めるべきではない。これは習近平を米不信にしてしまうだろう。それよりも、米国は、米中双方にとって脅威でない国際環境醸成のために協力すべきだ。貿易と投資等については成長に役立つ枠組みを作るのがよい。また、アジア回帰に伴う米国のプレゼンス強化は、中国の平和的台頭を阻止するのではなく、容易にするということを中国に伝えるべきだ、と言っています。


この論説は、中国は目覚ましく成長しているが、大きな問題を抱えた国でもあると指摘した上で、中国指導部を非難しても益はないので、習近平の訪米に際しても、米中が共同して米中関係を良い方向にもっていくために努力する姿勢を示すべきだと言っています。

しかし、これ自体は良いのですが、それだけにとどまるのは中国に対して甘いのではないかと思われます。中国に対しては、こちらの立場から見て不都合なことははっきりと言うべきで、従ってベーダーの言うようなやり方がよいとは思われません。要するに、非難することを避けるのではなく、非難すべきことは非難したらよいのであり、実際、それが効果を発揮する場合もあります。例えば、南シナ海での中国の対応を、ASEANの場でクリントン国務長官が非難してから、中国も少し低姿勢になってきています。

中国の政策については、力関係を重視する共産党が決めていること、彼らの発想の中で善意というものはあまり大きな場所を占めていないことなどをもっと考慮すべきでしょう。その意味でベーダーの論旨は少し深みに欠けるように思われます。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 17:08 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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