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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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シリア問題に対するトルコの責任 [2012年03月06日(Tue)]
Project Syndicate 2月13日付けで、Anne-Marie Slaughter前国務省政策企画部長(現プリンストン大学教授)が、シリア問題にどう対応するかでトルコが本当に大国であるのか否かが分かる、トルコはシリア問題の解決により一層の役割を果たすべきだ、と論じています。

すなわち、エルドアン首相の下で存在感を高めてきたトルコは、今シリア問題で試されている。トルコは3か月前、シリア国境に緩衝地帯を設けることを提案、11月にはアサドの退陣を求めた。しかし監視団派遣や政治移行案を提起したのはアラブ連盟であり、これらが中ロの拒否権によって頓挫した後、トルコは早期の国際会議の開催を呼びかけただけだ、

確かにトルコがシリアに軍を派遣するのは色々問題がある。しかし、トルコは、国際社会が虐殺阻止に真剣であることを示すのに最善の位置にある。例えば、トルコは自由シリア軍に武器等を援助し、シリアの北西国境地帯に安全地帯を設けることができる。シリア政府軍が特定地域に侵入できないよう自由シリア軍を支援することもできる、

ここには大きな教訓がある。強国であることは単に国の大きさ、戦略的位置、強い経済力、巧みな外交、軍事能力から来るのではなく、行動する意思を必要とする。本当の指導力は不人気な決定を行い実施する勇気だ、

米国はイラクなどでは安易に力に頼り過ぎたかもしれない。しかしコソボ、ボスニアへの介入、またシエラレオネへの1999年の英の介入、昨年の象牙海岸での仏の介入はそれぞれ成果を収めており、豪州の東チモール介入やブラジルのハイチ介入も成果があった、

勿論、シリアはハイチよりずっと危険な任務だが、もしパラグアイやウルグアイで虐殺があれば、世界はブラジルに期待するだろう。強国たらんとする国は、それに伴う負担も引き受けなければならない。つまり話すだけではなく、行動する用意がなければならない、と言っています。


この論説はシリアでの虐殺を阻止するためにトルコがもっと役割を果たすべきことを論じたものです。具体的には、トルコ国境地帯に安全地帯を作るべきだということですが、安保理が中ロの拒否権によってお墨付きを出せない中、トルコに単独介入を要求するのは無理があります。安全地帯はシリア政府軍の攻撃対象になり、安全確保のために、トルコはシリア領内深くまで攻撃することが必要になるかもしれません。従って、アラブ連盟や関係諸国が有志連合としてトルコに協力する姿勢を明確にすることが必要です。その意味で早急に関係諸国会議を開くというトルコの提案は有益です。

ただ、シリア情勢にトルコがどう対応するかが、トルコが地域の強国の地位を獲得できるかどうかの試金石になる、という論説の指摘は的を射ています。

強国の地位は、単に大きいとか、強い経済力や軍事力や外交力から来るのではなく、行動する意思から来るというのはその通りであり、日本にもそのままあてはまります。戦後の日本は国家意思があるのかないのか判然とせず、危険を引き受けて行動する意思もありませんでした。こういう国は強国ではなく、自らの国益を守ることもできません。そのことに日本人は早く気づくべきでしょう。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 17:31 | 中東 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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