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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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イラン制裁をめぐるインドのジレンマ [2012年01月26日(Thu)]
米ディプロマット誌のウェブサイト1月26日付で、米Center for a New American SecurityのRichard Fontaineが、米印は、イランについて認識も利害も異なり、そのため、イランの核問題が先鋭化する中で、米印の戦略的関係が袋小路に入ってしまう危険がある、と論じています。

すなわち、米国の対イラン金融制裁やEUの禁輸などが実施され、日韓も制裁に協力的な中で、米国はイラン石油の4番目の買い手であるインドの動向に注目している、

しかし、インドの認識は、イランの核兵器阻止を最重要課題と考え、イランの行動に懸念を持つ米国とは大きく異なる。インドは、@石油の12%をイランから輸入、A中央アジアとの交易がイラン経由で行なわれている(パキスタンを経由ができないので)、B国内に少数ながらシーア派がおり、選挙の際には結果を左右する力がある、さらに、Cイランとの間に文化的、国民的結びつきの歴史がある、

最近、インドはサウジの石油を買い始めており、イランの核兵器に反対を表明してはいるが、こうした米印間の違いは大きく、インド外相は先週、国連の制裁は受け入れるが、それ以外の制裁は受け入れないと言明、イラン石油輸入を継続するための代表団をイランに送ると述べた、

これまで米印は、イラン核開発への反対など共通点を強調してきたが、イラン制裁熱が高まるにつれ、両国の関係は袋小路に入る危険がある。米国の議員はインドが協力しないことに失望し、逆に、インドの議員はイラン政策で批判されて苛立つだろう。その結果、米印の戦略的パートナー関係は様々な面で困難になるになるだろう、と述べ、

両国の指導者は、イランの核兵器を阻止し、米印関係を維持するために、イランに関して早急に話し合い、両国間の違いを埋めるための方策を早急に見出すべきだ、と言っています。


この論説は重要な問題をとりあげています。米国がイラン中央銀行及びとそれと取引する銀行を制裁対象とした結果、イラン石油の輸入代金を決済することが難しくなり、インドはルピー決済やバーターをイラン側に提案しているようです。話し合いはついていないようですが、いずれにしてもインドはイランからの石油輸入を止める気はないと思われます。

結局、安保理決議によって国際社会全体がイラン禁輸に踏み切らない限り、インドがイラン石油の輸入禁止や削減を行うとは考えられません。フォンテーンが言う、米印間の話し合いは重要ですが、米印間には対イラン政策や、イラン石油への依存度で大きな違いがあるので、こうした話し合いで早急な結果が出るとは思えません。

米国は、中ロを説得して、安保理でイラン石油の全面的禁輸制裁を通すことができないため、金融制裁で効果を上げようとしていますが、少し無理があり、それが、中印がイラン石油を引き続き買うという形で現れているように思われます。

なお、日本はイランからの石油の輸入量の削減と日本の金融機関への制裁の不適用で今回の問題に対応しようとしていますが、大体EU並みの対応であり、それでよいように思われます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:31 | 中央・南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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