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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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中国指導層をめぐる争い [2012年01月23日(Mon)]
今秋の第18回党大会で党の最高権力機関たる政治局常務委員会(PSC)のメンバーが選出されるのを受けて、米戦略国際問題研究所の機関誌Washington Quarterly冬号で、ブルッキングス研究所のCheng Liが、目下この人事をめぐって熾烈な駆け引き、暗闘が行われていると述べ、対立する二大グループの特徴や政策の違いを紹介しています。

すなわち、今回の政治局常務委員をめぐる抗争は、一般の中国人が気付くほどあからさまな陳情攻勢が一部で顕在化している。例えば、重慶市党書記の薄煕来・政治局員は、自己宣伝のために公然と「文化大革命式」のキャンペーンを行ない、経済社会発展のための「重慶モデル」なるものを打ち出した。そして政治局常務委員9人中のうち5人が重慶を訪問し、このキャンペーンを支持したりした、

これに対し、温家宝・首相は、「文化大革命の遺物」に懸念を示すとともに、重慶市当局が都市化の名の下に農地を取り上げることに留保の態度を示した。この特殊な例が示すように、9人の最高指導者を選出する過程は極めて複雑、多面的であり、種々の駆け引きを必要とする、

PSCのメンバーとなるのに最も重要な要素は、「保護者‐被保護者」の結びつきだ。PSCから去っていく者は、影響力や利益を残したいので、自分の息のかかった忠実な弟子がメンバーになれるよう全力を尽くし、そのためには派閥や利益集団とも連携して協力する、

この30年間に中国の最高指導層は、毛沢東、ケ小平という強力な指導力をもつ個人の支配から集団指導制へと徐々に変化してきた。江沢民、胡錦濤に続く第世代の指導者(習近平や李克強)は、力と権威が仲間に拡散しているため、前任者たちよりも弱い指導者になるだろう、

そのため、中国の指導層は、ますます「太子党」と「団派(庶民派)」の二派間の「チェック・アンド・バランス」の形で政権を運営して行くことになりそうだ。前者は特権階級の出身者から成り、裕福な沿海地域で公務についた者が多い。習近平、王岐山、薄煕来等はこのグループに属する。後者には共産主義青年団に所属し、条件の悪い内陸部で公務についた者が多い。李克強、汪洋、李源潮などがこのグループに入る、

両者の勢力はほぼ均衡しており、25人の政治局員の中では、「太子党」は28%、「団派」は32%、政治局常務委員の中では各一人ずつ、中央書記処では各二人ずつとなっている、

政策面では、「団派」は組織、宣伝部門、農村工作について幅広い経験を有しているが、行政面、特に外国貿易、外国投資、金融等の重要な経済政策全般については、「太子党」の方がはるかに多くの経験を積んだ人物を擁している、と指摘し、

中国の最高指導部の政治は、当分の間、この二つのグループの対立と協調の中で進行することになろう、と言っています。


リーの論評は、中国政治の最高指導部の状況をやや単純化し、割り切って解説したものです。現実の中国政治はもっと複雑で隠微なものですが、目下のところ、二つのグループの対立と協調の枠組みの中で9人のトップ・リーダーを観察するのは、大きく間違ってはいないと思われます。

その中で、薄煕来や汪洋(広東省党書記)の外部にも見えるパフォーマンスは新しい動きとして注目されます。ただし、二つの派の政策の違いについては、それが権力闘争の口実に使われる面があることを考慮すれば、あまり強調しすぎるのは適切ではないでしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:36 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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