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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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台湾総統選挙後感 [2012年01月17日(Tue)]
Foreign Policyのウェブサイト1月17日付で、AEIのDan Blumenthalが、台湾は今後とも民主主義国家として、本土とは別の主体で存在し続けるだろうし、米国はそうした台湾と密接な関係を維持すべきだ、と台湾総統選挙後の実感を述べています。

すなわち、ブルーメンソールは自らの感想を5つにまとめて:
@台湾は、中国をはじめ世界の諸国と活発な経済関係を持つ事実上独立の国であり続けるだろう、
A台湾放棄論は一部の理論家だけのものであり、道義に反するだけでなく、実際的でもない。米国が支援を止めれば、大多数の台湾人は台湾を離れるだけだろう。これは米国の名誉を傷つけ、米国が望むようなアジアの実現は大変な打撃を受けることになろう、
B中国にとっても専制国家であることは次第に具合の悪いものになってきている。中国人は台湾が民主主義のために経済成長も安定も犠牲にせず、今回で4度目となる自由公正な選挙も行なったことを知っており、中国はまだ民主主義への「準備」ができていないとする政府のご託宣に納得していない。中国にとって、民主的台湾の存在は次第に困った手本になるだろう、
C今後は、中国民族百年の屈辱を晴らすことと、台湾人の自由を守ることを両立させることが課題となり、連邦、 Commonwealth、制度のようなものが浮上してくるだろう、
D米国は、過去の努力を無にするようなことをしてはいけない。台湾と緊密に協力し、平和的、民主的解決が出来るまで、中国の政治が変わるのを待たねばならない、と言っています。

 
極めてバランスのとれた、現実的、常識的判断と思われます。この常識的判断に反した「象牙の塔の政治理論」があるとわざわざ指摘している通り、これは、常識論に反した議論が一部米政府部内や学界に存在することに対する批判でもあります。

確かに台湾は、ブルーメンソールが感じたように、中華民国か、台湾共和国かの選挙を繰り返す民主国家となったように思われます。もちろん、国民党独裁時代の残滓はあり、国民党が財政的に恵まれているのに対して、民進党は財政不如意の中で野党としてまた4年頑張らねばならないのは気の毒ですが、それも台湾民主化の一つの過程と言えるでしょう。

中国が米国との武力衝突に踏み切る自信がなく(軍備の増強は急ですが、4年後でも自信を持つには至らないでしょう)、民衆の圧倒的多数は統一に反対、という2大条件が続く限り、ブルーメンソールの言うように、現状を維持して、中国本土の考え方が変わるのを待つという戦略は十分実施可能でしょう。特に、その間、米国の台湾防衛の意思が続けば、安定した状況を確保できると考えられます。

なお、論説で一つ面白いのは、Commonwealthという考え方が示唆されていることです。過去に、英連邦(British Commonwealth) 内の各国のような関係という考えが台湾側から出てきたこともありましたが、現状では中国が頭から問題にしていない定義です。しかし、将来の中国の態度の変化の可能性にも期待して、一つの選択肢として残しておく価値はあると思われます。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:57 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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