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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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日米印3カ国協商 [2012年01月10日(Tue)]
Project Syndicate1月10日付で、在ニューデリーの政策研究センターのBrahma Chellaney教授が、米印日3カ国による戦略対話の開始と共同海軍演習を行うとの決定は、これら3国が協商関係を結ぼうとしていることを示している、と言っています。

すなわち、アジアが移行期にあり、様々な安全保障上の問題がある中で、日米印のこうした動きは、第1次大戦前、ドイツの台頭に対した作られた仏英ロ「3カ国協商」を思い出させる、

しかし、今回は中国の台頭が動機だが、目的は中国の封じ込めではなく、相互依存的な国際体制の中に中国を統合することで中国の覇権追求を止めさせることだ。つまり、3カ国の意図は軍事同盟ではなく、中国が傲慢になるのを抑止し、この地域にリベラルなルールを尊重する安定した地域秩序を作ることにある、

ただ、意味ある協力をするには、日米印の戦略はそれぞれ変わる必要がある。例えば、日本はインド海軍とも相互運用性を持つ必要がある。また、財政難から、オバマ政権は米軍のスリム化や同盟国、パートナー国への依存の拡大を打ち出しているが、これは冷戦時代の「ハブとスポーク」体制を越えることが求められる、

この「ハブとスポーク」体制は、日本を米の保護国の立場におくのには適していたが、日本の対米依存を減らし、防衛力増強を促す方が、むしろ日本は均衡維持に貢献できるようになる。こうした変化は、第二次大戦後の安保体制に根本的変化をもたらすことになろう、

もっとも日米印は、広い戦略目的では一致していても、例えばビルマ政策やイラン政策では不一致があるというように、全ての案件で合意するとは言えず、パートナー関係の限界も理解しなければならない、

また、武器の共通運用性も簡単には達成できないが、この協商の目的は政治的なものであり、この方がより重要だ。日米印3カ国協力の深化は、インド・太平洋地域での海洋安全保障の強化とアジアのおけるパワー・バランスを作りだすのに役に立つだろう、と言っています。


チェラニーの論説は、日米印間の協力が軍事的な中身は薄くても、政治的には重要で有意義であることを指摘するとともに、この協力関係を本当に意味あるものにするには、戦後のアジアの安全保障体制を根本から考え直す必要があるのではないかと問題提起しているものです。

特に、従来の体制は、日本を米の保護国にしておくのには適しているが、日本の自立した防衛力強化にはつながらないとしています。これは、アジアで地殻変動のような変化が起こっており、従来受け入れられてきた考え方もよく吟味してみる必要があるということなら、その通りでしょう。

第2次大戦後、アジアの平和のためには、軍事的に弱い日本がよいと言う考え方がありました。新憲法、日米安保、日本が自ら課した安全保障上の制約、ASEAN諸国歴訪の際に軍事大国にはならないと言明するなどは、皆こうした考えの反映です。また、ソ連、中国、韓国は軍事的に弱い日本を望んでいました。

しかし中国の台頭で状況は変わってきています。それを踏まえ、日本の安全保障政策についても、考え直す時期に来ています。最近の武器禁輸緩和は重要な動きでしたが、惰性から、あるいは反対の強さを予見して、例えば集団的自衛権について従来の方針を続けるようなことは問題でしょう。

また、日米印の対話の開始は、日米印協力から何を期待し得るかなど、日本側に新しい考え方が出てくるきっかけにもなりうると思われます。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:49 | その他 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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