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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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米新国防戦略による大西洋同盟空洞化の懸念 [2012年01月06日(Fri)]
在ワシントンのシンクタンク、 Atlantic Council のウェブサイト1月6日付で、Julian Lindley-Frenchオランダ国防大学教授が、米国の新しい国防戦略が欧州に及ぼし得る影響について論じています。

すなわち、米新国防戦略は、米国が早晩超大国の地位を失うことを言外に認めており、米国の戦略的認識の変化を表している。米国はそれに基づいて、ポスト冷戦時代からの大規模な情勢安定化戦略は止めて、今後は輪郭のはっきりした「クリーン」な戦争しか戦わないことになるだろう、

欧州にとってこれは何を意味するか。NATOは米国の庇護の下にすっかり空洞化しており、その軍事力は「アイスクリーム・コーン程度の強さ」になってしまっているが、そうした甘やされた時代は終わりになるということだ、

では、今後欧州はこうした事態を受けてどう動くだろうか。米国は今後も東欧についてはとかく問題を起こしがちなロシアからの防衛を保証するだろう。軍事テクノロジーがそれを許してくれるし、いずれにしても、当面、モスクワがNATO=EU国を侵略することはない。しかし大陸欧州となると話は別で、欧州は独仏、とりわけドイツを中心として中核グループがまとまり、ますます欧州に関心を集中させていくことになろう。他方、英国は、「豪州、カナダ、日本、そして多分インドを含む米国主導のグループに加わることを選ぶだろう」、と述べ、

NATOは残りの時間を、戦略観が異なり始めた加盟諸国間の軍事的相互運用性の維持に費やすことになるだろう。しかし、米国の新国防戦略が内包する世界観は、大陸欧州のそれとは非常に異なり、同盟関係はそうした不一致の下では長く存続できない、と言っています。


新国防戦略によれば、米国の新たな国防姿勢は、確かに欧州からはほとんど両足を、中東からは片足を抜くものであるかに見えます。欧州の覚醒を促すこの論説のようなコメントが出てくるのは当然でしょう。それにしても、中央アジアから中東に至るホットスポットが、東に向かう米国、そして内向きになる欧州の狭間に落ちてしまうことが懸念されます。

また、論説は今回の米国の戦略的転換によって、大陸欧州と英国の間にある古い断層がより明確化すると見ています。やはり英国は大陸欧州とは異質の存在と見られていることがここから伝わってきます。

なお、英国に現実にその意思と覚悟、そして人的・資金的裏付けがあるかどうかはともかく、日本にとっては英国がアジア事情にお節介を入れてくれるのはむしろ望むところでしょう。実際、英国政府は近年、大英帝国の遺産とも言うべき「五カ国(英、豪、NZ、マレーシア、シンガポール)防衛取り決め」に対して関心を払い直しつつあります。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:59 | 欧州 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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