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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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イランと戦争に陥る危険性 [2011年12月01日(Thu)]
ファイナンシャル・タイムズ12月1日付で、David Miliband 英前外相と、Oxford Analytica(国際情報提供会社)の Nadar Mousavizadeh 代表が、イランの核計画阻止のための軍事行動は、イラン国内の強硬派の立場を強めてしまうだけでなく、中東地域に測り知れない結果をもたらしかねないので、軍事行動を軽々に論じるべきでない、と警告しています。

すなわち、イランの核武装は許しがたいが、だからと言って近くイランに対して軍事行動をとるべきだということにはならない。イランが自ら認めた核施設だけでも数が多い上に、イランは、報復の手段(ミサイルや代理軍隊のヒズボラなど)にも、攻撃の対象(サウジ、アラブ首長国連邦、イスラエル、湾岸の米軍施設、ホルムズ海峡など)にも事欠かない、

従って、われわれは軍事行動が自己達成的予言になることを避けなければならない。それに、イランは、@制裁、サイバー戦争、隠密作戦により、核開発の進展が妨げられている、AIAEAの査察官が主要施設や活動を監視しており、イランの政策や行動の劇的な変化を察知できる体制にある(逆に、IAEAの査察官が追放されれば、取り返しがつかなくなる)、B地域ではイランの影響力が低下している(アラブ世界で唯一の盟邦、シリアの体制が崩壊しかけており、また、アラブの民衆の間でイランの人気は急落している)、Cイラン国民は政権の世界敵視に賛同せず、開かれた政府を強く求めている、など少なくとも4つの重大な挑戦を受けている、

従って、核開発を除き、全てのことで意見が分裂している政権に加えられる圧力を直接、間接に支持すべきだ、

軍事力行使の話は、イラン国内の強硬派の立場を強め、イランの核開発に反対する世界の動きの団結を弱めるだけでなく、それ自体の論理を生んでしまう危険がある、と言っています。


11月8日のIAEA事務局長の報告書が、これまでに無い詳細な資料の分析に基づいて、イラン核開発の「軍事的側面」に「重大な懸念」を表明したのを契機に、対イラン軍事攻撃論が高まりを見せていますが、論説はこうした論が自己達成的予言となる危険を指摘して警告を発しています。ただ、最近、イランの核開発は支障をきたしており、それほど差し迫った状況ではないとの見方も有力です。論説も指摘しているサイバー攻撃による濃縮活動の停滞はよく知られていますが、他にも、イランの核研究者が複数暗殺されています。論説は、このような状況の下で、イランの核兵器能力獲得は早くても2年先であるというのが大方の見方だ、と言っています。

また、11月12日にはテヘラン郊外の新型固形燃料ミサイル開発基地で大規模の爆発が起きており、11月29日にはテヘランの英大使館襲撃事件が起きて、英イラン間で緊張が高まっています。このようにイラン情勢は混迷しており、対イラン軍事強硬派も、しばらくは様子見をするのではないかと思われます。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:58 | イラン | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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