台湾売却論
[2011年11月10日(Thu)]
ニューヨーク・タイムズ11月10日付で、米海兵隊出身でハーバード大学ケネディ・スクールの研究員だったPaul V. Kaneが、米国の台湾防衛は冷戦時代の遺物であり、そうした台湾については、米国は、武器援助を停止する代償として、米国の中国に対する負債1.14 trillionドルを棒引きにしてもらう取引を中国とすべきだ、と驚くべき提案をしています。
Kaneが在籍したハーバード大学ケネディ・スクールのBelfer Centerは、従来から中国系研究者を受け入れてきており、中国の利益となる観測気球を打ち上げたこともあります。例えば、2005年の同大学研究員、Jason QianとAnne Wuによる六カ国協議を論じた共同論文は、@中国が積極的に米朝の仲介の役割を果たすことに加え、A六カ国協議の議題をより広く地域の安全保障、経済発展の問題に拡大することを主張しています。
今から考えるとこの論文はたしかに中国の意を受けた観測気球でしたが、米側交渉者クリストファー・ヒルはそれに乗って、アジアには欧州のような多数国安全保障機構が無いので、六カ国協議を外相レベルに格上げして、東アジアの懸案全般を議論する場としたいと示唆さえしました、
これは、戦争の記憶の問題、従軍慰安婦、南京大虐殺も含めて、東アジア全般の問題を、中国を議長として、ロシア、北朝鮮を含めて議論するということであり、日本にとっては危機感を持つべき危うい構想でした、
今回のKane の論文も、何らかの形で中国の意向を受けた観測気球ではないかと推測されますが、内容があまりにも稚拙なので、米政府関係者でこれを真に受けて実行する人が出て来る可能性は少ないでしょう。
ただ、気になるのは、NYTがこのような低水準の論文を取り上げたことであり、その背後に、米政府部内の親中論、台湾放棄論があるとすれば、それは懸念に価します。その意味では、この論文のレベルの低さは指摘して置く必要があるかもしれません。
Kaneが在籍したハーバード大学ケネディ・スクールのBelfer Centerは、従来から中国系研究者を受け入れてきており、中国の利益となる観測気球を打ち上げたこともあります。例えば、2005年の同大学研究員、Jason QianとAnne Wuによる六カ国協議を論じた共同論文は、@中国が積極的に米朝の仲介の役割を果たすことに加え、A六カ国協議の議題をより広く地域の安全保障、経済発展の問題に拡大することを主張しています。
今から考えるとこの論文はたしかに中国の意を受けた観測気球でしたが、米側交渉者クリストファー・ヒルはそれに乗って、アジアには欧州のような多数国安全保障機構が無いので、六カ国協議を外相レベルに格上げして、東アジアの懸案全般を議論する場としたいと示唆さえしました、
これは、戦争の記憶の問題、従軍慰安婦、南京大虐殺も含めて、東アジア全般の問題を、中国を議長として、ロシア、北朝鮮を含めて議論するということであり、日本にとっては危機感を持つべき危うい構想でした、
今回のKane の論文も、何らかの形で中国の意向を受けた観測気球ではないかと推測されますが、内容があまりにも稚拙なので、米政府関係者でこれを真に受けて実行する人が出て来る可能性は少ないでしょう。
ただ、気になるのは、NYTがこのような低水準の論文を取り上げたことであり、その背後に、米政府部内の親中論、台湾放棄論があるとすれば、それは懸念に価します。その意味では、この論文のレベルの低さは指摘して置く必要があるかもしれません。
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