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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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米=トルコ関係 [2011年11月12日(Sat)]
ワシントン・ポスト11月12日付で米ワシントン近東政策研究所のSoner Cagaptayが、米国とトルコは対イラン、対シリアなどで利害を共有してきており、最近はオバマとエルドアン首相の関係も良好だ、こうした良好な関係は指導者が代わっても継続するだろう、と論じています。

すなわち、昨年、米=トルコ関係はイスラエルとイラン核問題への対応の違いで動揺したが、現在、オバマとエルドアンの個人的関係はよく、中東での政治状況は両国を接近させている。先月エルドアンの母親がなくなった際、オバマは電話し、45分も話した、

2010年6月、安保理でトルコが米国のイラン制裁案に反対して米=トルコ関係は悪化したが、その後7月、トロントのG20でオバマが率直にエルドアンと話した後、修復され、トルコは対イラン政策を変更した。以来、二人は頻繁に話し政策で合意している、

オバマは「アラブの春」でのトルコの対応を評価している。特にシリアに関して、トルコはアサドの弾圧を非難し、反政府派を支持している、

この良好な米=トルコ関係は今後も続きそうだ。エルドアンは2002年に首相に就任した際はイランとの関係改善を打ち出したが、トルコが中東の主要プレイヤーとなる中で、もう一つの覇権的国家イランとの間で競争が生じている。特にシリアをめぐって、イランはアサド政権を支持、トルコは反政府派を支持している。また、米軍撤退後のイラクで、トルコとイランは影響力を競うことになるだろう、

米=トルコ関係は、イスラエルをめぐって緊張はあるが、トルコとイランの競争・対立関係がトルコを米国に接近させるだろう。トルコとイスラエルとの関係改善さえありうる。米国とトルコは中東での共通の利益で結ばれており、今の指導者がいなくなってもこれは続くだろう、と言っています。


論説の筆者は名前からトルコ系の人と思われますが、米=トルコ関係の現状をよく描写しています。

トルコのエルドアン政権については、米メディアでは、そのイスラム色に注目してトルコのイスラム化に警鐘を鳴らす向きもありましたが、「アラブの春」への対応で、トルコが近代化された民主主義国であることが明らかになってきました。つまり、リビア問題での対応や、シリアのアサド政権批判と反体制派支援がトルコのそうした性格を明らかにしました。

イランとの関係についても、一時トルコはイランの言い分も聞く姿勢を示していましたが、イランがアサド政権を支持し、さらに、イランとサウジ間の対立が深まる中、トルコはイランとの関係を再考、今は米国の対イランミサイル防衛に協力し、関連の基地設置を認めるなど、対イラン姿勢は明らかに変わってきています。

そうした中で、米=トルコ関係が改善するのは当然と言えます。また、「アラブの春」では、トルコはイスラムと民主主義を両立させた国として一つの模範と目されるようになっています。イランの神政政治や、サウジの厳格なワッハーイズムに基づく体制よりも、トルコのような国がアラブ諸国のモデルになるという評価です。

米国がトルコとの関係を重視していくのは、地域情勢の健全化のためになります。トルコは、ガザ封鎖や和平交渉の停滞などでイスラエルに批判的であり、従ってトルコとイスラエルとの関係改善は容易ではありませんが、トルコ側の言い分にも一理あるので、米国はトルコの対イスラエル政策を理由に対トルコ関係をぎくしゃくさせるべきではないでしょう。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 10:08 | 中東 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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