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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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ユーロ解体論 [2011年11月07日(Mon)]
ファイナンシャル・タイムズ11月7日付で、同紙国際問題主筆のGideon Rachmanが、本質的な欠陥を持つユーロが陥っている危機を解決するのは困難であり、欧州の指導者はユーロ解体に取り組むべきだ、と論じています。

すなわち、ユーロ導入から10年余りが経ち、経済発展段階が異なり、政治風土も大きく異なる国々を統合した単一通貨圏には本質的な欠陥があることが分かってきた、

EUは、ギリシャは特異な孤立したケースだと主張したが、市場は納得しなかった。実際、ギリシャを機能不全にしている多くの特徴――蔓延する脱税、巨額の政府債務、利権を基盤とする政治制度、EUとの不健全な依存関係――はイタリアにも見られ、アイルランド、スペイン、さらにはフランスにもある、

そうした中で打ち出された救済策はいずれもうまくいっていない。イタリアの新政権が信頼できる経済計画を打ち出せば、しばらく時間を稼げるかもしれないが、ユーロの設計の欠陥を考えれば、一息つける時間は短いだろう。

また、究極の解決策は財政統合だと言われているが、これは実現まで何十年もかかる上に、今回の混乱で、汎欧州の連帯が欠如していることが明らかになった以上、そうした最終地点に到達できるとは思えない、

確かに、ユーロ解体は恐ろしく困難で危険だろう。ユーロ離脱国で起きるだろう資本逃避や債務不履行は、銀行の破綻を招くかもしれない。また、その後少なくとも一時的に、経済的、政治的大混乱が起こるかもしれない。さらに、単一通貨の破壊は、EU自体も破壊すると言う者もいる、

しかし、そうした警告は自己成就的な予言になる危険がある。それに、単一市場、国境のない移動、外交政策における協力といった欧州の主要な成果は、ユーロ導入以前に実現されたものであり、ユーロがなくなっても維持できる。ユーロは、欧州の経済的繁栄と政治的調和を推進するための手段であって、それ自体が目的ではない。ユーロがまさにそれと反対の事態を推進していると考えられる今、指導者たちは、いかにユーロを救うかではなく、いかにユーロを解体するか、あるいは少なくともいかに最も弱いメンバーの離脱を認めるかを考えるべきだ、と言っています。


ユーロ悲観論です。ギリシャの債務不履行は不可避だという議論はありましたが、ユーロの救済は困難だとこれほどはっきり述べた議論は珍しい。このような議論が出てくるということは、ユーロ危機がいかに深刻であるかを改めて示すものでしょう。論説はユーロ危機で汎欧州の連帯の欠如が明らかになった、つまり、ユーロ圏を支えるべき最も基本的な条件が無くなってしまったと言っています。今、欧州の指導者たちはユーロ危機を解決すべく、懸命の努力をしていますが、最終的に成功するかどうかは、彼らが、そして欧州の有権者が、今一度汎欧州の連帯感を取り戻せるかどうかにかかっていると言えるかもしれません。



Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 17:23 | 欧州 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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