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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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サイバー安全保障条約 [2011年10月27日(Thu)]
CNNの10月27日付サイトで米外交問題評議会のAdam Segalと Matthew Waxmanが、サイバー安全保障条約は夢物語だと言っています。

すなわち、サイバー攻撃は国境を超える脅威なので、これに対処するためにグローバルな条約が必要だとして、来週、英政府がサイバー空間に関する会議を開催する。しかし、世界的なサイバー安全保障条約は夢物語だ、

なぜなら、米欧を一方の極とし、中ロを他方の極として、世界各国はサイバー攻撃に戦争法や自衛権が適用されるか否か、市民から情報を遮断する権利を許すか否か、民間企業などが果たす役割は何か等について意見が激しく分かれているからだ。また、米英が損害や盗取からネットワークを守ることを重視するのに対し、中ロは政権を脅かす情報の統制に重点を置いているように、サイバー安全保障の定義自体も争われている、

そこで、米国は世界的な条約の成立は期待せず、国際社会が割れていることを認識して、戦略として次の4点を重視すべきだ。@NATO、豪州に加え、ブラジル、インド、南アフリカなどにも働きかけて、同じ考えの国を増やす努力をする、A法的に灰色の分野で活動していることを受け入れる。米国は自衛権の行使を正当化できる場合があるとしているが、伝統的安全保障とサイバー安全保障は別だと考える国もある。それに、サイバー空間ではスパイ行為(これは国際法上認められている)と攻撃の区別がはっきりしないので、外交の場でこれに対する「自衛行為」をどう正当化するかも考える必要がある、B中ロに対しては法的合意を求めるのではなく、レッドラインを示す。他方、信頼醸成にも努めるべきだ、C途上国と技術的パートナー関係を作り、米国と利害を共有するようにするとともに、中国の類似の努力に対抗する、

結局、サイバー安全保障は、世界的な条約ではなく、色々な国や民間事業者間の多くの取り決めによって徐々に進展していくだろう、と言っています。


サイバー攻撃の問題はますます重要性、緊急性を帯びてきており、そのため、条約を作ってこの問題に対処すべきだとする主張がありますが、こうした条約の作成は、論説も指摘するようにそう簡単ではないと思われます。

重要インフラに対するサイバー攻撃の加害者などは特定できないことがあるので、そうなると、自衛権を行使しようにもどうにもならず、結局は防御をしっかりするしかないでしょう。

実際、かつてテロリストによるサイバー攻撃について専門家の意見を聞いたところ、「防御には大変金がかかる、ダメージ・リミテイションの方が費用対効果がよい」との結論でした。もっともその後の技術的進展もあるので、この問題は再度検討してみる必要があります。

また、オープンな社会を促進する上で有効な手段であるインターネットについては、権威主義政権が情報の自由な流通を抑えるために条約作成を利用する怖れがあり、こういう試みには断固反対していくべきでしょう。

ただ、現時点では、論説も言うように、条約を作るより色々な手段をとるべしというのはその通りですが、条約作りを頭から排除する必要もありません。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:24 | その他 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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