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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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アジアが抱える不安 [2011年10月25日(Tue)]
ニューヨーク・タイムズ10月25日付で、パネッタ米国防長官のアジア歴訪を前に、米AEIのMichael Auslinが、米国が今後10年間で5000億ドルの国防費削減を計画していることを背景に、アジアは将来について不安を募らせている、と論じています。

すなわち、アジアでは大国も小国も安全保障を求めて種々の関係を作っており、それがまた相手側の不安につながる中で、計算違いや民族主義的熱気が常識を圧倒する可能性が増している、

他方、中国の問題は、軍事力増強そのものよりも、軍事力の使い方にある。東シナ海では、米日の海軍力の前に中国の行動は抑制されているが、昨年の尖閣諸島をめぐる危機は中国が日本とも事を構えるのを恐れていないことを示している。また、強力な海軍力を持たない東南アジアの小国に対しては、もっと強硬で、中国海軍がベトナムの船舶に干渉、中国の漁業監視船がインドネシア海軍に砲を向ける、ベトナム訪問後のインド海軍に公海上で嫌がらせをするなどの事件が起きている、

また、南シナ海における排他的経済水域や領土紛争の背後には、中国が、米国の力は衰退しており、地域諸国に安全保障を提供しきれないと見ていることがあるかもしれない。さらに、来年は中国指導部が交代するが、新政権が不安定で弱ければ、対外強硬策や軍の発言力増大につながる可能性がある。軍事費削減の中で、アジアでどう信頼性ある米国のプレゼンスを維持するかがパネッタの課題であるが、それが出来るかどうかは、不幸にして北京の出方次第かもしれない、と言っています。


これは、中国の台頭とその軍事力行使のやり方に警告を発している点では的を射た論説ですが、米国がアジアで信頼性あるプレゼンスを維持できるかどうかは中国の出方による、という結論部分には違和感を覚えます。

中国が多くの問題を抱えながらも、民族的な勃興期を迎えていることに疑問の余地はありません。しかも中国は、毛沢東が「政権は銃口より生まれる」と言ったように、軍事力の行使を躊躇しない国です。従ってアジアのパワー・バランスを圧倒的に中国有利の方向に傾けてしまうのは、アジアの平和にとって望ましくないでしょう。こうした中国に「責任あるステークホルダー」になってほしいとか、戦略的互恵関係に基づく穏健な姿勢を求めるのは悪いことではありませんが、これはあくまで希望の表明であり、中国がそうならない場合を考えてパワー・バランスを維持していくのが政策です。

米国は確かに戦略的重心を中東からアジアに移しつつありますが、財政難の中で、米の軍事力は弱くならざるを得ないでしょう。それを踏まえて、日本がどうするかが大きな問題です。軍事的に弱い日本がアジアの平和にとって有益であった時代は既に遠く去り、日本が他国に脅威を与えるか否かではなく、日本がアジアの平和への脅威削減にどう貢献できるかを考える時期が来ています。



Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:02 | その他 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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