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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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ロシアが中国の中央アジア浸透を警戒 [2011年10月17日(Mon)]
ニューヨーク・タイムズ10月17日付で、上海社会科学院のRaffaello Pantucciと米ウィルソンセンターのAlexandros Petersenが、ロシアが中央アジアにおける中国の影響力増大を懸念している、と指摘しています。

すなわち、先週プーチンが北京を訪問し、中ロ関係の良さが強調されたが、実はロシアは中国が旧ソ連圏、特に中央アジアで影響力を増していることを懸念しており、プーチンは訪中直前、旧ソ連諸国を糾合するユーラシア連合を提唱している。EUは、これを対欧州の動きと考えているが、ロシアが懸念しているのは、西よりも東、特に中国の影響力だ、

ロシアの懸念の核心にあるのは上海協力機構(SCO)の進展で、中国は、SCOを安保に重点をおく組織から、地域開発に重点をおく組織へと変えようとしており、実際、SCOは今や中国の対中央アジア外交の手段になってきている。そうした中で、ロシアはジュニア・パートナーのような存在になっている、

また、中国は、中央アジアで経済面のみならず、ソフトパワー的影響も強めている。例えば、各地に孔子学院を設立して中国語の普及に努めており、そのため、地域の富裕層の間で子供に中国語を習わせる現象が起きている、

これはこの地域に残るロシアの遺産にとって大きな脅威であり、ロシアの文化的な影響力は小さくなってきている。そうした中で、プーチンが提唱するユーラシア連合は、ロシアの裏庭での中国の影響力増大を阻止するためのものに思える、と言っています。


中国がSCOを介して中央アジアでの影響力を増していることを、ロシアが懸念しているという指摘はその通りでしょう。ただ、プーチンのユーラシア構想が主として中国を念頭においているとするのは少し行きすぎでしょう。プーチンは旧ソ連諸国を出来るだけ糾合し、西側ではウクライナを関税同盟に取り込んで、ウクライナのEUへの接近を阻止することを狙い、中央アジアでは、ここで指摘されるように、対中けん制を狙っているということでしょう。

確かに、ロシアの文化的影響力はソ連崩壊後、減退しています。旧東欧諸国では、ロシア語を学ぶ人間が激減して英語学習者が増えており、コーカサス地方でも、アルメニアを除いて同じ現象が見られます。中央アジアでも、英語学習者や中国語学習者が増えています。

ただ、ハードパワーである政治・経済的影響力と、ソフトパワーの典型たる文化的影響力の関係については、ソフトパワーはハードパワーに随伴するのであって、その逆ではないように思われます。要するに、中央アジアにおける中国のプレゼンスが経済面で高まり、ロシアのプレゼンスを侵食されてきたので、ロシアの文化的影響力が減退してきたということです。

ユーラシア連合がうまくいけば、ロシアの影響力の再復活もあり得ますが、タジキスタンやキルギスタンを除いて、中央アジア諸国がそれに積極的になることはあまり考えられません。結局、ロシアのこれまでの旧ソ連諸国糾合の試みと同様、実質的な意味を持つユーラシア連合の形成はそう簡単ではないと思われます。

なお中国がSCOを上手く利用しているという指摘はその通りであり、ロシアはSCOの中で中国のジュニア・パートナーになりつつあります。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:47 | ロシア・東欧 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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