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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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米国の対パキスタン政策の転換 [2011年10月14日(Fri)]
ニューヨーク・タイムズ10月14日付でブルッキングス研究所のBruce O. Riedelが、米国はこれまでのパキスタン政策を転換して、封じ込め政策を行うべきだ、と論じています。

すなわち、米国は米パの戦略的利害は相反していることを認識しなければならない。マレン前統合参謀本部議長が上院で証言したように、パキスタンはアフガン反政府勢力に聖域と支持を与えており、タリバンの指導者も庇護している、

その背景には、パキスタン軍指導部がインドに対して強迫観念を抱いていることがあり、それがパキスタンによる核の増強と、アフガン・タリバンの支援につながっている。そして、パキスタンにとっては、米国が早く撤退してくれる方がよいので、タリバン等に米大使館攻撃などを奨励し、米国やNATOにアフガン戦争には希望がないと思わせようとしている。パキスタン軍情報機関ISIなども、タリバンが和平提案をすることを許さないだろう、

こうしたパキスタンに対しては、同盟国だとの幻想は捨て、封じ込め政策に転じるべきだ。これは、パキスタンとの関係がこれまでよりも敵対的になることを意味するが、敵対の的は絞るべきで、目的はパキスタンの民衆を害することではなく、軍や諜報機関の責任を問うことにある。例えばISIの将校がテロ支援をしたら、その将校に制裁を加えるようにすべきだ、

また、それと並行して、例えばパキスタンの繊維製品にはインドや中国に対するよりも関税を低くするなどして、貿易を増やし、援助を削減すべきだろう。軍事援助は、当然、大きく削減すべきだ、

さらに、パキスタンをめぐるインドとの戦略対話も不可欠であり、インドに対し、印パ間の貿易・運輸関係の改善を促し、対テロ協力を深め、カシュミールについてはより宥和的な姿勢を奨励すべきだ、

米国とパキスタンは何十年も嵐のような関係を続けてきたが、米国はパキスタン軍が米国の利益を守るだろうと期待しすぎてきた。今やパキスタン軍の攻撃的本能を封じ込める時だ、と言っています。


パキスタンのアフガニスタンに対する考え方や意図はここで言っている通りであり、また、パキスタンにとっては対インド戦略が最優先事項だということも論説の言う通りでしょう。

米・NATO軍の撤退が既定路線となっている中で、パキスタンは何としても対インドでの戦略的深みを持つために、アフガニスタンに親パキスタン政権が生まれることを望んでいます。ところが、カルザイ政権は反パキスタン、親インドなので、パキスタンはカルザイ政権を倒すには、タリバンなどの反政府勢力と連携せざるを得ないと考えているのではないかと思われます。

アフガン戦争は、主たる補給路がパキスタンを通らざるを得ないことや、パキスタンがタリバン等の聖域になっていることもあり、パキスタンとの協力が必要ですが、パキスタンの態度が上記のようなものである限り、上手く収拾される可能性は低いでしょう。

その上、カルザイは10年も政権の座にいて多額の援助を得ながら、腐敗の問題に適切に対処せず、国家機構の整備も進めず、治安部隊の増強も遅れがちです。米国は、不幸なことに、こうしたカルザイ政権やパキスタンとパートナーを組んでアフガン戦争を戦ってきたわけです。

米=パキスタン関係は双方にとって重要であり、すぐに断絶することはないでしょうが、米軍が撤退する中で、ますます難しくなることは必至と思われます。また、アフガニスタンも、米・NATOが継戦意欲を失う中、インド、パキスタン、イランなどの地域諸国の思惑やアフガン国内諸勢力の抗争の場となる可能性が高いでしょう。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 17:23 | 中央・南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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