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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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ユーロ危機 A選択を迫られるドイツ [2011年09月13日(Tue)]
ファイナンシャル・タイムズ9月13日付で、同紙主任経済解説委員のMartin Wolfが、ユーロ圏には強力な制度がないため、機軸国たるドイツの政策が重要になるが、ドイツは期待にこたえず、今やドイツは、ドイツが期待した「拡大ドイツ」ともいうべきものとは異質のユーロ圏か、ユーロ圏の消滅かのどちらかを選ばなければならないところに来ている、と言っています。

すなわち、今回の危機は、ユーロ圏の当初の構想に欠陥があったことをはっきり示すと同時に、「便宜的結婚」で結びついた諸国民の間に、信頼のみならず、共通のアイデンティティも欠落していることを明らかにした、

つまり、ユーロ圏は重要な手段を欠いているため、信用度の低い国が債務支払い困難になったときは、機軸国が活気ある市場を提供するか、金融支援をしなければならない。ところが、比較的小さく、開放された、競争力の強いドイツ経済の視点から世界を見続けてきたためか、ドイツは、こうした事実を国民に十分説明せず、そのため、現在の危機を解決することは不可能となっている、

今はともかく火を消さなければならない。一番悪くない選択肢は、欧州中央銀行(ECB)がまだ支払い能力のある政府と金融機関に無制限に流動性を供給することだ、

では、ドイツ政府がそうした大胆な手段は支持できないと決めたらどうなるか。ECBは崩壊の連鎖現象を防ぐために、ドイツが反対しても措置をとるべきだ。そうなった時、ドイツがユーロ圏を、多分オーストリア、オランダ、フィンランドと一緒に離脱するかどうかは、ドイツ自身が決めることだ。ただ、ドイツ国民は、ドイツがユーロ圏を離脱すれば、ドイツマルクは高騰し、ドイツの輸出利益は大幅に減り、大きな金融ショックが起き、GDPが急落することを知らされなければならない、

結局のところ、メルケル首相とドイツ国民は、ドイツが期待した「拡大ドイツ」ともいうべきものとは異質のユーロ圏か、ユーロ圏の消滅かのどちらかを選ぶかの選択に直面している、と言っています。


論説は、ドイツがユーロ圏を受け入れるか、ユーロ圏の消滅を選ぶかの岐路に立たされていると言っていますが、FTコラムニストのミュンチャウの指摘(10月5日掲載) が正しいとすれば、ドイツにとって前者の選択肢は困難ということになります。すなわち、先週のドイツ憲法裁判所の判決は、これまで決定された範囲を超える政策を禁じているため、ドイツは欧州安定メカニズム、ユーロ債の発行、EU財政同盟の設立には参加できません。ECBがイタリアやスペインなどの国債を購入することや、日米欧の中央銀行と協力してユーロ圏の銀行にドルを供給することは、禁止されていないと考えられますが、これだけでユーロ圏の危機に対処できるとは思えません。

論説は、共通財政政策のない現在のユーロ圏が有効に機能するためには、ドイツが機軸国としての役割を果たさなければならないと指摘していますが、ドイツ憲法裁判所は、ドイツがまさにそのような役割を果たすことを禁じているに等しいのです。

現在のような形のユーロ圏は、存続の瀬戸際に立たされています。



Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 19:02 | 欧州 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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