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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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ユーロ危機悪化の恐れ [2011年09月04日(Sun)]
ファイナンシャル・タイムズ9月4日付で、コラムニストのWolfgang Munchauが、ユーロ圏にとって最優先課題は、景気減速を食い止め、逆転させることであり、それには、欧州中央銀行による一層の低金利・金融緩和策とならんで、緊縮財政計画を即刻やめる必要があるが、今のように各国は緊縮財政策をとっていると、景気減速を食い止められず、ユーロは存続の危機に直面することになるだろう、と警告しています。

すなわち、現時点では、欧州中央銀行(ECB)が対処する余地を最も多く持っていることから、金融政策が最重要手段だ。現在、ユーロ圏の金利は米国のそれよりもかなり高く、インフレ期待が収まった今、ECBには政策金利を1%もしくは1%以下に引き下げないことを正当化する理由はない。勿論、それだけで景気減速を止めることは出来ないが、助けにはなる。また、ECBは長期金利についても行動することを検討すべきだろう、

では、財政政策はどうか。一部の国は財政問題を抱えているが、ユーロ圏全体としては財政問題は無いので、ユーロ圏は、最低限、全ての緊縮財政計画を即刻取りやめ、財政的に中立の立場に戻るべきだ、

ところが、現時点でこうした政策転換は検討課題にすらなっていない。ユーロ圏の対GDP債務比率は、米英や日本よりも低く、ユーロ圏が何年か前に財政同盟に移行していたなら、今頃EUの財務大臣は協調行動をとっていただろう。しかし現実には、各国がばらばらな政策をとっており、そうした中で緊縮措置が伝染し、景気減速も伝染している、

財政同盟がない現状では、ユーロ圏諸国は互いに協調し合うしかなく、自分としては、これを徹底して、南欧諸国の緊縮財政を相殺すべく、ドイツ、オランダ、フィンランドが財政刺激策を実施することを提案したいが、各国政府は不協和音を奏でており、景気減速がユーロの存在自体を脅かす脅威だという認識を未だにもっていない。従って、ユーロ圏が景気減速に襲われても、これに対する防備はなく、危機は今後真に深刻なものとなるだろう、と言っています。


ユーロ圏経済についての厳しい分析です。債務増大による財政危機に対処するために緊縮財政策をとると、景気が減速して債務の減少が困難になる、という緊縮財政の「わな」に陥ってしまう危険性が極めて高く、しかもそこから抜け出るのは非常に難しい、というのが今のユーロ圏の実態と言えるでしょう。

論説は、その対策として、ユーロ圏全体の緊縮財政策を見直すべきだと言っていますが、その一方で、南欧諸国の緊縮財政を相殺すべく、ドイツ、オランダ、フィンランドが財政刺激策を実施することを提案するとも言っていて、真意は不明です。南欧諸国の緊縮財政計画をもっと緩いものにする一方、ドイツなどは財政刺激策をとれ、ということかもしれません。

しかし、実際は、ユーロ圏でそうした政策転換は検討すらされておらず、このままではユーロ圏の景気減速は避けられず、危機は一段と悪化するだろうと警告しているわけです。たしかにユーロ圏で論説が提案するような処方が検討する様子は見られず、論説が指摘するように、ユーロ圏の危機はさらに一段と悪化することが懸念されます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:11 | 欧州 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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