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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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野田新政権への評価 [2011年09月04日(Sun)]
野田新政権について、ニューヨーク・タイムズ9月4日付社説は、問題点を厳しく指摘した上で、オバマ大統領は国連総会の合間にではなく、ホワイトハウスに野田氏を招いてじっくり話をすべきだ、と述べ、エコノミスト同3日付の社説は、より前向きな評価をした上で、官僚と協力すべきだ、と言っています。

先ず、ニューヨーク・タイムズは、野田氏について、@大災害や長い経済停滞からの回復に必要な力強い創造的な指導力を発揮するとは思えない、AA級先般に関する発言は中国や韓国との関係を悪化させる、B日米同盟重視だが、指導者としては地味で、反対の多い沖縄の基地問題への支持を取り付けられるとは思えない、C日本の慢性的経済問題への解決策がない、増税を言っているが、それでは日本経済はさらに悪化する、今必要なのは、市場や規制の緩和によって復興と需要を刺激することだ、と厳しく指摘し、

米国は次々に変わる日本の首相の相手をするのに疲れた、と言っています。

しかし、その上で、首脳会談では、対中関係や北朝鮮の核問題、さらに、世界経済が二番底不況に陥らないためにどうすべきかを協議しなくてはならず、とても国連総会の合間に話し合えるものではない、オバマ大統領は野田氏をホワイトハウスに招くべきだ、と言っています。

他方、エコノミストは、@自らをドジョウに例え、少なくとも感じの良い自嘲的なユーモアがある、AGDPの倍の債務、高齢化、労働人口の縮小と日本がいかにひどい状態にあるかを切実に感じている、B前任の二人と違い、自党内また自民党に対し和解的な姿勢を見せている、また、期待が低いことが利点かもしれない、と野田氏についていくつか前向きの評価をした上で、

しかし、問題は深刻で一人の人間が解決できるものでない。腐敗や裏取引に支えられた自民党体制を懐かしむべきではないが、民主党の大きな問題の一つは官僚を敵に回したことだ。しかし、国を運営するには官僚が必要であり、野田氏は官僚と仲直りし、官僚が自分たちに不都合な政策施行を妨げることのないようにしながら、官僚が力を発揮できるよう励ますべきだ、と述べ、

日本が何とかなっているのは、政治家のおかげでなく、国民の質が高いからだ。しかし、それは一方で国民の間に政治へのしらけやシニカルな見方を生み、厳しい選択をさせることがむずかしくなっている、とも指摘しています。


ニューヨーク・タイムズが、これだけ野田氏を批判した上で、オバマ大統領は野田氏とじっくり協議しなくてはならない、と言っているのは目を引きます。日本の首相がくるくる変わり、一貫した政策が進まないことに米国が心そこ嫌気がさしているのは間違いありませんが、失望は、一方で日本は重要ということでもあるでしょう。世界がさらなる不況に陥ることが懸念され、米国経済の立ち直りの見通しは暗く、対中関係は益々複雑になり、北朝鮮の核問題も進展がない中、米国が重要課題で日本との協議が何とか進んでほしいと切実に感じていることが窺われます。

一方、政治家と官僚の関係について、米メディアと英メディアでは見解が分かれ、エコノミストは民主党が官僚に宣戦布告したことを問題にしています。英国の官僚の有能さはよく知られており、一般国民の間でも、首相が官僚トップの官房長官と密接な協力・信頼関係を築き、首相と内閣が官僚を駆使する必要があることは広く認められています。それだけに、英国のメディアは官僚との間に建設的な関係を築かない愚かさを十分に理解しているということでしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:17 | 日本 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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