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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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野田総理への期待と課題 [2011年08月30日(Tue)]
野田氏が新総理になったことを受けて、CSISのMichael J. GreenがForeign Policy 8月29日付で、また、AEIのMichael AuslinがThe Diplomat8月30日付で、新総理への期待と課題を論じています。

すなわち、グリーンは、野田氏は内外共に大きなハードルに直面しているが、私は野田氏の選出を喜んでいる。野田氏は、安倍や前原同様、安保政策では保守派であり、父親が自衛官だったことから、米日同盟や防衛のこともよく判っている。中韓は東京裁判の正統性に疑問を呈する野田を懸念しているが、現実的な野田は、安倍同様に中韓にも手を差し伸べるだろう。その上、自由貿易論者の野田はTPPを支持しており、財政面でも保守的だ。国際主義者の邪魔ばかりしている小沢一郎にひざまずくことも拒否している、

日本の政治は混乱しているが、夢みるポピュリストの鳩山や、政策問題をよくわかっていなかった菅に比べれば、少なくとも日本の指導者の質は改善している、と言っています。

また、オースリンは、野田氏の強みは、@54歳と若く、真の改革派と言える、A財務副大臣・大臣としてこの2年間日本の経済問題に取り組み、早くから財政赤字にも警鐘を鳴らしてきた。ただ、消費税増税を言っているが、所得が伸びず、貯蓄率も低下している中での増税は政治的に危険かもしれない。従って、国民から、財政規律と歳入増を組み合わせた、日本の財政バランス回復のための長期計画を持っていると見られる必要がある、また、B中国の軍事力増強を警戒、日本は地域の安定維持で役割を果たすべきだと主張、さらに、自衛隊を軍隊と認めるべきだとするなど、外交・安保について現実的な見方をしており、鳩山が悪化させてしまった日米関係を修復してくれることが期待できることだ、

他方、彼は全会一致で選ばれたわけではなく、政策を進める以上に党内派閥の管理に時間を取られかねない。さら、党内には野田よりも若い前原、枝野、細野、長島昭久などがいて、世代間競争があり、次世代に橋渡しする暫定政権になってしまう可能性もある、

ただ、野田が日本にとって極めて重要な時期に首相になったことは確かであり、国際経済体制の防波堤、そして米主導ブロックの重要メンバーとしての日本の役割が今ほど必要とされたことはない。日本は国内問題を解決し、国際的な場でもっと意味のある役割を果たすべきであり、そのためにも野田は日本を見守るすべての人から支持されるべきだ、と言っています。


両論説とも、野田総理が直面する問題の大きさを指摘しつつも、野田総理に好意的です。日本専門家の両人がこうした見解を表明しているのは、野田総理が外交・安保政策について、現実的で日米関係重視であることが米国で評価されていることの表れと思われます。

たしかに、これまでの発言を見ると、野田総理の外交・安保政策についての考え方は足が地に着いた堅実なものと評価できます。これまでの発言の延長上で政策展開をしてもらえれば、対米関係はよくなるでしょう。他方、中韓との関係は少しぎくしゃくする怖れがありますが、管理可能と思われます。

増税については、経済の状況を見ながら、ということでしょう。まだ国債が買われる状況なので、国民のお金を取り上げるか、国民から借金するかのどちらが適切かはじっくり考えればよいことです。いずれにしても財政再建至上主義に陥ってはならないでしょう。

なお、野田氏は日本では稀に見るユーモアのセンスを持っているようです。「民主党代議士会で、「そうは見えないかもしれないが、身の引き締まる思い」と述べ、会場の笑いを誘っていましたが、ここには自分を客観視できる資質が見受けられます。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:53 | 日本 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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