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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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21世紀の海を制するには [2011年08月28日(Sun)]
米ディプロマット誌でJames R. Holmes米海軍大学准教授が、米海軍は西太平洋における戦闘で優位を得るために、対艦ミサイルを開発・装備するとともに、日本海軍に勝ち、ソ連海軍と競争して勝った時の大胆さと創意を再発見しなければならない、と言っています。

すなわち、米国の軍事的優位は、各国の管轄下にない海と空、グローバル・コモンズにおける優位に支えられてきた。ところが、ソ連海軍が駄目になった後、米海軍は、自分たちはグローバル・コモンズを支配しているとの前提に立っていたため、重点を沿岸での任務に置いてきた。しかし、中国が海洋に進出して来たため、ここにきて、これまで当然視していたアクセスのために戦う必要があることを認めるようになり、ようやく海洋支配について真剣になってきた、

今後、海軍は軍艦の武装を強化し、海洋支配の習慣と伝統を再学習しなければならないが、これは新しい武器を展開し、リスクを冒す文化を再建することを意味する、

物的な面では、音速以下の速さで800km先を標的とするものと、マッハ5の高速で320km先の目標を攻撃する、2種類の長射程対艦巡航ミサイルの開発中だ、

これらが実用化されたら、アジアの地図はどうなるか。中国の第2砲兵が有する対艦弾道ミサイルの射程は1500〜2700kmとされるので、その射程内に米艦船は入ることは阻止される一方、中国の艦船も米国の攻撃から安全ではなくなる。その結果、「第2列島線」の西側は、米中双方の水上艦船にとって危険な海域になり、これにどう対処するかで、その時々米中のどちらが優位になるかが決まることになろう、

もっとも、重要なのは兵器だけではない。米海軍は西太平洋での戦闘で優位を得るために、対艦ミサイルを装備するとともに、日本海軍に勝ち、ソ連海軍と成功裡に競争した大胆さと創意も再発見しなければならない、と言っています。


論説は、中国による海軍の増強と地上発射対艦弾道ミサイル(DF-21)の増強によって西太平洋における米海軍の優位が脅かされ、これまで前提としていた米海軍の行動の自由が制約を受けることを念頭に、それへの対処として米国が新しい対艦巡航ミサイルを開発していることを紹介するとともに、「第2列島線」の西側が、中国海軍にとっても米海軍にとっても危険な水域になることに警鐘を鳴らしています。

ホームズは海軍大学の人間なので、海軍がどう対応するかに焦点を絞って論じていますが、DF-21などについては、通常兵器搭載長距離ミサイルや空軍力での攻撃も考えられるのではないかと思われます。従って、海空両面の対処を考えるべきでしょう。

ただ、いずれにしても、米軍がグローバル・コモンズを誰にも邪魔されずに自由の使えた時代は、少なくともアジアでは早晩なくなる可能性があるため、新しい兵器、戦略、戦術が求められています。ホームズの問題提起はそうした観点から適切と言えるでしょう。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 17:13 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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