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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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ムバラク裁判 [2011年08月05日(Fri)]
ニューヨーク・タイムズ8月5日付け、ウォールストリート・ジャーナル同4日付、ファイナンシャル・タイムズ同3日付の各社説が、ムバラク裁判について、法の支配を示す公正な裁判になることを期待すると同時に、この裁判が、エジプトの民主化や経済の再建が遅々として進まない中にあって、改革から国民の注意を逸らすための復讐裁判になることへの懸念を表明しています。

すなわち、NYTは、この裁判は、エジプトの将来を示唆することになる。公正かつ透明な裁判であるならよいが、そうでなければ、民主主義と法の支配に対するエジプトの現政権の姿勢に疑問を投げかけることになるだろう、と述べ、

WSJは、エジプトでは、選挙の日取りも決まらず、経済も悪化したままの中で、ムバラク裁判が性急に政治的に行われている。改革は進めずに、国民の復讐心に訴えているのだ、と言っています。

さらに、FTは、裁判を始めた以上、エジプト政府は裁判の公正を期さねばならないが、裁判を改革の代わりにしてはならない。革命から半年経ったが、エジプト経済は一向に改善していない。政治経済改革に時間がかかるのはわかるが、革命の勢いを失ってはならない。ムバラク裁判ではなく、改革こそが、革命の目的を達することが出来るのだ、と言っています。


情報が少ないため、昨今のエジプトの内情はよくわかりませんが、この三紙の社説が同趣旨であるところを見ると、改革は遅々として進まず、復讐裁判によって、国民の関心を逸らす、あるいは時間を稼ぐ、という意図が現政権の中に見え隠れしているのかもしれません。

推測するに、おそらく今の軍事政権は、ムバラク政権が直面したのと同じような問題に直面しているのでしょう。すなわち、自由選挙を行うにしても、現状では、自由民主主義勢力はまだ十分育っていず、唯一の既存の野党団体はイスラム主義のモスレム同砲団だけという状況です。健全な野党勢力が養成される時間を稼ぐために選挙が延期されたと言われていますが、政党の育成に政府のバック・アップが必要だということ自体、エジプトの民主化が直線的には行かないことを示しているように思われます。結局は、何らかの形で、現在大量の援助をしてもらっている米国との関係を維持し、さらに、イスラエルとの平和条約を維持できる政権を出現させる政策が、民主化よりも優先されることにならざるを得ないように思われます。また、それは、米国も密かに期待するところでしょう。そうなると、それはムバラク政権とそう変わらないことになります。

それに対して、リベラル派や民主主義信奉者の米国のメディアが建前論として反撥しているのは理解できますが、落ち着き先としては、ムバラク無きムバラク政権となることも一つの現実的可能性でしょう。




Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:32 | 中東 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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