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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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ASEANは頼りにならない [2011年08月05日(Fri)]
米ヘリテージ財団のウェブサイト8月5日付で、同財団アジア研究センター所長のWalter Lohmanが、7月末にバリ島で開かれたASEAN地域フォーラムは同じことの繰り返しで前進がない、米国はASEANを頼りにせず、同盟国と協力して自らシーレーンを守るべきだ、と言っています。

すなわち、1990年代後半、中国とASEANの間で、南シナ海における領土や権益争いを緩和しようと、行動規範の確立に向けての交渉が始まり、2002年に「南シナ海における関係国の行動に関する宣言」(DOC)が成立した。しかし、中国側が法的拘束力のある「規範」を嫌い、さらに、中小国と1対1で交渉したいがために、領土争いは二国間問題だと強固に主張した結果、DOCはASEAN側が望んだような行動規範とはならなかった、

7月のバリのASEAN地域フォーラムで合意された「DOC実施のためのガイドライン」も、行動規範ではない。ピツワンASEAN事務局長は歴史的成果と自画自賛したが、行動基準を設定できなかったのだから、内実は2002年の合意の繰り返しに過ぎない、

要するに、実質を求める中国に対し、ASEANは、同意でき、何かしら動いたという感触が持てればそれでよしとしており、これは、この地域の要の役を果たすべきASEANの姿勢として問題だ。そうしたASEANに米国の利益を託すわけにはいかない。米国は、べトナム、インドなどと戦略的パートナーシップを創設、強化し、ASEANとは別に、航行の自由と同盟国の安全を守っていくべきだ、と論じています。


誰とも敵対せず、誰をも傷つけず、はっきりした表現を避ける、いわゆるASEAN wayに対する米国のいらだちを示す、典型的なアメリカ人の反応であす。たしかに、バリ島の会議で何が進展したのか、資料を取り寄せて読んでみても、はっきり進展と言えるものは見出せませんでした。

しかし、にも関わらず、会議は成功だったと思われます。米国がアジア復帰を宣言して以来、前とは違った雰囲気の中で会議が行われたこと自体が重要です。つまり、中国と明言しなくても、中国の脅威を認識して、米国の存在を歓迎し、南シナ海の問題を議論したということは、それだけで大変な違いです。

米国は、ASEAN wayから離れられないASEANを永年無視して来ましたが、最近になって、ASEANを地域のテコの支点と呼ぶに到っています。しかし、ASEANに付き合って、自由民主主義諸国の利益を増進するためには、理解と忍耐が必要です。米国にASEANの重要性を説得し、ASEAN wayに耐えるよう導くには、それこそ日本が最適任であり、日本の重大な政治的外交的役割だと思われます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:43 | 東南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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