CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


プロフィール

特定非営利活動法人 岡崎研究所さんの画像
Google

Web サイト内

カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
△小泉純一郎前首相の医師久松篤子
英米関係は共通の理念に支えられる (10/08) 元進歩派
実績をあげているオバマ外交 (09/21) wholesale handbags
タクシン派のタクシン離れ (07/04) womens wallets
豪の新たな対中認識 (07/04) red bottom shoes
バーレーン情勢 (07/02) neverfull lv
石油価格高騰 (07/02) wholesale handbags
金融危機後の世界 (07/02) handbags sale
米国の対アジア政策のリセット (07/02) neverfull lv
ゲーツのシャングリラ演説 (07/02) handbags sale
パキスタンの核の行方 (07/01)
最新トラックバック
リンク集
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index2_0.xml
中国の強硬姿勢の理由 [2011年07月22日(Fri)]
ウォールストリート・ジャーナル7月22日付社説が、バリで開かれるASEAN地域フォーラムを前に、ここ2年の中国の強硬な態度は何に由来するのかを分析しています。

すなわち、沿海の航行を妨害するなど、最近の中国の強硬な行動に、東南アジア諸国は脅威を感じ始めている。しかし、これは周辺諸国を米国の方へと追いやるだけで、中国にとってけっして得策ではない。中国が米国と対決できるだけの軍事力を蓄積するにはまだ何年もかかり、その間は中国も平和的に台頭する必要があるはずだ、

それにも関わらず、挑発が続くのはなぜか。おそらくそれは、@過去の主張のからみ、A国内政治の影響、そしてB中国の戦略的文化から来ているのだろう。
.
そうした中国の行動の特徴は、論理の一貫性や相互主義を認めないことだ。自国の排他的経済水域に他国の艦船が入るのは拒否する一方、自分は日本の排他的経済水域に入っていく。また、孫子の兵法以来の人の意表を突くという戦略なのか、朝鮮、チベット、インド、ヴェトナムといずれも予告なしで戦争を始めている。漁船に偽装する方法も使う。そのため、周辺諸国は、中国がいつどういう形で出て来るのか予想がつかない。さらに、超大国の引き揚げの機を捉えるところがある。1974年に西沙群島に出て来たのは、米軍のべトナム撤兵の時であり、南沙群島に出て来たのは、ソ連のカムラン湾引き揚げの後だった、

東南アジア諸国はこうした中国のことをよく知っている。だからこそ、今回のバリ会議では、中国が何を言おうと、クリントン国務長官が個別の接触で東南アジア諸国から受け取るのは、米国は東アジアとの外交的、軍事的結びつきを強めて欲しいというメッセージだろう、と言っています。


ASEAN地域フォーラムでは、中国はある程度は柔軟姿勢を示すだろうと一般に予想されていますが、ここ一、二年の大きな流れとしてこの論説が言っていることは正しいと思われます。孫子の兵法が妥当かどうかは疑問なしとしませんが、2010年以来中国の態度が挑発的になって来たことは事実です。

中国の態度が硬化した理由としては、2009年に米国が中国を甘やかしたことの反動が、中国軍事力の急激な成長を背景として、2012年の党大会を前にしての中国内の権力闘争に影響を与えた、ということが一番考えられるように思われます。

つまり、2009年11月のオバマの初訪中のために、中国の機嫌を損ねないよう汲々としていた米国は、ダライ・ラマのワシントン訪問を空振りに終わらせ、台湾への武器売却を延期、新疆、チベットの弾圧にもはかばかしい抗議はせず、北京オリンピックの開催を祝福しました。推測の域を出ませんが、おそらくは、こうしたことが2009年を通じて、「米国は出れば引っ込む」と中国に思わせてしまったのではないかと思われます。勇気付けられた中国のタカ派は発言力を増し、2012年の党大会を控えての権力闘争の中で、それが元に戻らなくなり、南シナ海などでの中国の行動にも反映されているということでしょう。

そうであるなら、2012年の党大会の後、あるいは、その前でも権力闘争が一段落すれば、中国がまた微笑外交に戻る可能性もあるということになります。強硬外交よりも、微笑外交の方が扱いが難しいのは、外交の習いであり、その時は西側として十分注意してかかる必要があります。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 17:08 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント