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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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駐豪米軍基地は時期尚早 [2011年07月19日(Tue)]
在日基地は、今後海軍力の角逐が起きるだろう海域から遠すぎる上に、中国の短中距離ミサイル射程内にあるので危険であり、豪州に米軍基地を置くのがよい、とする米国海軍大学の研究者トシ・ヨシハラの主張に対し、豪州国立大学関連のウェブサイト、East Asia Forum 7月17日付で、同大学国際政治戦略研究学科の研究員、Ron Huiskenが反論しています。

すなわち、今こうした主張をすることは、今まさに出してはならない類の誤ったシグナルを送ることになる。中国の軍事力増強に応じて第二列の防御線を作り、その範囲内に陣地を固めようというのがヨシハラの主張だが、ワシントンがそういうことをしている、という印象を与えれば、第一列にある同盟国や友邦国は状況の再評価を始めてしまうだろう、

米中の力関係は、長期的に見てあまり面白くないものであるのは確かだが、かといって恐れるには及ばない。この地域には米国の友邦がいくつもあり、それらの国は米国の積極関与を望んでいるのに対し、中国にはそうした友邦は存在しないからだ。これらの国を用いて平和と安定の構造をアジアに作り直すことは、やってみる価値がある、

ところが、米国は中国に影響されて路線を変更しようとしている、という印象を与えてしまったら、この可能性を潰してしまうことになる、

これまでの兵力の配置の変更はやってもいいが、大事なことは「いつもと同じ」印象を与え、同盟国の懸念に応じる態勢を示すことだ、と述べ、

それでも豪州に米軍が来るというのなら、国民の支持を背景にこれを迎え入れるべきだ。そのことはASEAN諸国に豪州の意味を再確認させることになろう、と言っています。


フイスケンが言っているのは、要するに、豪、日、韓、インドネシアやインドと組んで中国に対する堅固な姿勢を築き、新しいルールを作ることを心がけることこそ米国に今必要な方策であり、それもしない内に早々と尻尾を巻くような姿勢を見せてはかえってひどい逆効果を生む、ということです。

それはその通りだろうと思われます。しかし、他方、ヨシハラにはそれなりの蓄積があり、決して奇抜な言説を弄したのではないことも指摘しておく必要があるでしょう。ヨシハラの専門は、中国軍事文献を原語で大量に読むことであって、その彼が見るところ、中国軍事ドクトリンは、横須賀その他重要在日基地に向けた限定的核攻撃すら排除していません。高まる一方の中国ミサイル攻撃力について、最も多くの知見をもつ一人は明らかにヨシハラです。

ただ、だからといって、一足飛びに前線を後退すべしと論じたところに、相当の飛躍があり、フイスケンはその点を突いて、その前に同盟ネットワークを再構築して、孤立した大国、中国に迫っていく、というような多様なアプローチがあり得る、と論じているわけです。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:20 | 豪州 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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