CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


プロフィール

特定非営利活動法人 岡崎研究所さんの画像
Google

Web サイト内

カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
△小泉純一郎前首相の医師久松篤子
英米関係は共通の理念に支えられる (10/08) 元進歩派
実績をあげているオバマ外交 (09/21) wholesale handbags
タクシン派のタクシン離れ (07/04) womens wallets
豪の新たな対中認識 (07/04) red bottom shoes
バーレーン情勢 (07/02) neverfull lv
石油価格高騰 (07/02) wholesale handbags
金融危機後の世界 (07/02) handbags sale
米国の対アジア政策のリセット (07/02) neverfull lv
ゲーツのシャングリラ演説 (07/02) handbags sale
パキスタンの核の行方 (07/01)
最新トラックバック
リンク集
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index2_0.xml
イスラエルは1967年国境を受け入れよ [2011年07月10日(Sun)]
ニューヨーク・タイムズ7月10日付でEphraim Sneh元イスラエル国防副大臣が、イスラエルの安全を保障する一連の措置をとることを条件に、イスラエルは基本的に1967年国境を受け入れ、パレスチナ和平を実現すべきだ、と論じています。

すなわち、ネタニヤフは1967年国境に戻るのは受け入れられないと言っているが、1967年国境が軍事的に防衛不可能だということを口実に和平への唯一の道を閉ざすのは間違いだ、

この国境は、@ヨルダンと西岸の境界へのイスラエル・パレスチナ合同治安部隊の配備、Aパレスチナの非武装化、Bイスラエル=ヨルダン=パレスチナ共同防衛条約等の安全保障措置等と組み合わせれば、防衛可能になる、

また、今イスラエルが直面している脅威は、イランが提供するロケット弾、迫撃砲、ミサイルだが、これらが西岸に入るのを防ぐには、西岸とヨルダンの境界を浸透不能にすべきであり、それには、イスラエル・パレスチナ合同治安部隊が有効だ、

西岸に入植地を作り、それを守るために占領を続けるのは破局につながる。つまり、イスラエルはアラブとユダヤの対立する二つの民族から成る国家となり、第三のインティファーダが起こり、アバッスの交渉政策が崩壊して、西岸でもハマスが権力を握ることになるだろう、

こうした運命を避けるために、イスラエルは米国の提案を受け入れて紛争を終わらせ、急速に変貌しつつある中東で孤立した国家となるのではなく、活動的な一員となるべきだ、と言っています。


このスネーの論は、イスラエルの和平優先派の考え方を述べたものです。イスラエル国内では、和平を結ぶことが安全保障につながるという主張と、安全の保証がない限り和平は結べないという主張がずっと拮抗してきましたが、現在では、安全の保証が第一と言う考え方が強く、和平によって「良き隣人」を作るという考えは、中東が激動し、先行きが不透明であることから、あまり支持されていません。7月10日の米・ロ・EU・国連による会合は何の声明も出さずに終了しており、9月の国連でパレスチナ国家承認の議題が出されるのは確実であることから、直接交渉が進展する可能性は極めて小さいと言えます。

スネーが危惧する、イスラエルが二つの民族から成る国家になる、インティファーダが又起きる、ハマスが西岸でも勢力を増す、ということは多分現実になるでしょう。また、民主化されたアラブ諸国は、イスラエルに対してかつて以上に敵対的になり、こちらの方がイスラム過激派やイランの問題よりも重大な問題になるかもしれません。ネタニヤフは小さなリスクを回避しようとして、かえって大きなリスクを招きよせている嫌いがあります。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:00 | 中東 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント