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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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米ロ関係とMD [2011年05月21日(Sat)]
米ブルッキングス研究所のウェブサイト5月21日付で、同研究所のSteven Piferが、今月末のG8サミットの際に行われる米ロ首脳会談では、東欧に配備中のMDによって米ロ関係が悪化しないよう、「同MDはロシアを狙うものではない」との政治的保証をロシアに与えるべきだ、と論じています。

すなわち、MDはロシアの核攻撃能力の無力化を狙うものだ、いうロシア側の誤解を正せば、米ロはイランのミサイルに対する防御で協力を進めることができるようになる。ロシア側は、「MDをロシアに対して向けない」という法的拘束力を持った文書を求めているが、昨年末に、新START条約を苦労して上院を通したばかりの米国は、それはできなくても、政治的保証なら与えることができる。メドベージェフ大統領がそれで手を打てば、米ロの関係は対立から新たな協力へと切り替わり、核削減交渉も一段と前進させられるようになるだろう、と言っています。


米ロ首脳会談で、パイファーが提唱するような政治的合意が成立したとしても、それは一時しのぎのものであり、MD配備は続くでしょうし、ロシアも折に触れて異議を唱えることを止めないでしょう。

東欧へのMD配備は、チェイニー前副大統領が推進したものですが、彼の狙いが、@ロシアのICBMの無力化、ANATOに参入した東欧諸国に対ロ安心感を与える、Bイランからのミサイルに対する防衛の内のどれなのか、あるいは合わさったものだったのか、それは今も不明です。

しかし、オバマ大統領がロシアの反発を弱めようと、配備予定のミサイルの到達距離を限定したため、MDは、東欧諸国に対ロ安心感を与えるという性格が強くなってきており、それだけに米国としても簡単に撤回はできません。

他方、ロシアは、「いかなるMDも突破できる」とする新型ミサイルを開発しようとしており、さらに、開発中の対空ミサイル S-500はポーランドを攻撃する地対地ミサイルに使えるので、MDは今絶対阻止しなければならないものではないと思われます。

それに、メドベージェフ大統領は、プーチンの抗米路線から転換し、米国の支援も得ての経済「近代化」路線を行くことを明確にしているので、MD問題が米ロ関係の大きな障害になることは避けたいでしょう。ただ、プーチンが煽った反米熱は、ロシア社会にまだ強く残っているので、メドベージェフもMD反対の旗を完全に降ろすようなことはしないでしょう。

そうした中で、アフガニスタンに軍事物資を運び込む経路としてのロシアの重要性は、ビンラディン殺害で薄れたと思われます。また、イランの核についても、オバマ政権はこれをむしろイスラエルに対するパレスチナ問題解決に向けての圧力材料にするかもしれず、そうなると、イランに対する圧力という面でもロシアの協力は不可欠ではなくなります。

つまり、オバマ政権にとってロシアは、米国の軍事予算を縮小できるよう静かにさせておく、あるいは中国と組んで米国に歯向かってくることがないよう、慰撫しておく程度の存在になってきたように思われます。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:29 | その他 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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