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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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戦略的ガイドラインを欠く米太平洋司令部 [2011年05月20日(Fri)]
Foreign Policyのウェブサイト5月20日付で、米中経済安全保障調査委員会副委員長のDaniel Blumenthalが、米軍太平洋司令部は戦略面でのガイドラインが決定的に不足している、より明確な戦略指針がなければ、アジアにおける米国の利益を維持することは出来ない、と警告しています。

すなわち、太平洋司令部は32万5千人の人員を擁し、地球の約半分の地域を担当、その任務はますます増大しているが、それに見合う資源も、ワシントンからの戦略指針も不足している。特に、米国は、将来、台湾防衛のためにどこまで行動するのか、南シナ海での紛争や日中間の紛争にどこまで介入するのか、中国が朝鮮半島有事で攻撃者となった場合、どう対応するのか等についての戦略指針が欠如している、

中でも、台湾に関する中国の動きについて、米国が許容できる範囲を示す「レッド・ライン」が曖昧なままにされている状況は、かつて米国がいつかは日本帝国と戦わねばならぬ日がくるだろうと知りながら、日本との間で「レッドライン」があいまいなままにされ、それがやがて第2次大戦につながってしまった時と酷似している、

台湾の帰趨がやがてはアジア太平洋の全体のパワー・バランスを変えることはあり得るのであり、従って中国との間でレッドラインが曖昧なままにされているのは非常に危険だ、

そうした中で、最近、クリントン国務長官とゲーツ攻防長官が、南シナ海における航行の自由は、中国式に言えば、米国にとっての「核心的利益」にあたる、と明言したのは、あいまいさを排除したものとして評価できる、と言っています。


このブルーメンソールの論評は、米国で最近出てきた「台湾放棄論」に対する反論と言えるもので、特定の地域の帰趨が全体の力関係を大きく変動させる引き金となり得る、との考え方は説得力があります。

もともと、「台湾関係法」という米国の国内法は、外交関係のない台湾当局への直接のコミットメントではないため、多くのあいまいさを含んでいます。それに加え、中国の対台湾政策は、硬軟両様織り交ぜたものですが、米軍の関与を回避しつつ、増強した軍事力によって台湾を威圧し、台湾人の交戦意欲を削ぐことに主眼があることに変わりはありません。

米国も日本も、台湾問題については、「現状維持」と「話し合い解決」という原則的立場を中台双方に対して表明してきましたが、具体的にどこからが「レッドライン」であるのかをより明確にすべき時に来ているということでしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:42 | 米国 | この記事のURL | コメント(1) | トラックバック(0)
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コメント
ものですが、米軍の関与を回避しつつ、増強した軍事力によって台湾を威圧し、台湾人の交戦意欲を削ぐことに主眼があることに変わりはありません。
Posted by:neverfull lv  at 2011年07月01日(Fri) 18:49