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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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大震災が日本の政策に与える影響 [2011年03月16日(Wed)]
米Foreign Policy誌ウェブ版3月6日付で、米戦略国際問題研究所のMichael J. Greenが、今回の大惨事は、少なくともある程度日本の安全保障政策と外交政策に影響を与えることになるだろう、と論じています。

すなわち、日本社会には伝統的な強靭さと高い適応能力があり、歴史的にも今回の震災以上の様々な危機から立ち直ってきた。実際、阪神淡路大震災以来、日本政府は自衛隊の活用拡大、危機管理センターの設置など危機管理能力を高めている。最近の若者のボランティア精神の高まりもきわめて印象的だ、と指摘した上で、

今後は、@自衛隊の交戦規則の見直しや米国との相互運用性の向上を求める声が高まる、A中国やロシアとの関係がある程度改善する、B今回の大震災に対する諸外国からの支援を見て、日本の一般国民がODAや安全保障面で日本が行う国際貢献の重要さを再認識する、C日本の生産能力は回復する、ただし、問題は、日本が経済成長のための基本戦略を再び活性化させるか否かだ、D菅首相はTPP 参加等を進め始めているが、日本の改革主義者たちは、経済再生のためのより大胆な政策を求めるようになる、と予測、

これまでも日本は外的ショックにより開放的、改革的となり、再生を果たしてきた。今回の悲劇は日本にとって新たな転換点であり、日本は再度力強く甦るだろう、と結んでいます。


個人的にも岩手を良く知る知日派グリーンの日本に対する愛情溢れる「エール」であり、前半の日本社会の特徴、危機管理体制の改善などに関するコメントは基本的に正しいと言えるでしょう。

また、今回の危機について、米国では日本の危機管理能力などに関するセンセーショナルな報道が目立ちますが、その背景には原発を推進しようとするオバマ政権に対する米国内の批判の高まりがあり、こうした中でのグリーンの対日楽観論はそれなりの意味があるかもしれません。

他方、外的ショックが日本の内的変化を促してきたことは間違いないにしても、今回の大災害を一種の「外圧」と見ることには若干抵抗があります。実際、グリーンが主張するように、この大災害を契機として、競争促進政策を求める日本の「改革主義者」たちの声が一層強まるとは思えません。むしろ、これだけの大災害に直面した日本は、政治の第一優先順位が「競争促進」ではなく、「産業と農家の保護」となるのは当然でしょう。日本政府が一気に農業市場の開放や規制の緩和に進むと考えるのは、日本に優しいグリーンの希望的観測ではないかと思われます。

グリーンほどの知日派でも、日本の現実とワシントンの認識とのギャップは予想以上に大きいということでしょう。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:40 | 日本 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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