CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


プロフィール

特定非営利活動法人 岡崎研究所さんの画像
Google

Web サイト内

カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
△小泉純一郎前首相の医師久松篤子
英米関係は共通の理念に支えられる (10/08) 元進歩派
実績をあげているオバマ外交 (09/21) wholesale handbags
タクシン派のタクシン離れ (07/04) womens wallets
豪の新たな対中認識 (07/04) red bottom shoes
バーレーン情勢 (07/02) neverfull lv
石油価格高騰 (07/02) wholesale handbags
金融危機後の世界 (07/02) handbags sale
米国の対アジア政策のリセット (07/02) neverfull lv
ゲーツのシャングリラ演説 (07/02) handbags sale
パキスタンの核の行方 (07/01)
最新トラックバック
リンク集
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index2_0.xml
震災後の日本の財政見直し [2011年03月15日(Tue)]
ファイナンシャル・タイムズ3月15日付でコラムニストのMartin Wolfが、日本ほど悲劇に慣れている文明はなく、日本の国民は今回の震災を上手く処理するのは確かだが、問題はこの悲劇からより良いものが生まれるかどうかであり、政治家の力量が問われている、と論じています。

すなわち、今回の悲劇の経済効果としては、国冨の破壊と経済の混乱の他に、@原子力産業への影響、A保険業界への影響、B金融・財政や対外収支への影響、そしてC復興需要があるだろう、

ゴールドマン・サックスは建物などへの損害額を阪神地震の1.6倍の16兆円と推計、これはGDPの4%、国富の1%に当たる。電力不足による経済の混乱も小さくはないが、経済的打撃は、2008-09年の1年間にGDPが10%減少した世界金融危機に比べればずっと小さいだろう。保険業界の負担も銀行の損失も耐えられないものではない、

また、財政支出は、阪神地震の時の640億ドル(5年間)の1.6倍とすれば、1000億ドルであるが、これはGDPの2%にあたり、5年間でならせば、毎年GDPの0.4%である。OECDは今年の日本の財政赤字をGDPの7.5%と予測しており、こうした数字に比べれば復興費用は小さい、

日本政府が追加支出を行えるのかと疑問に思う向きもあるが、懸念する必要はない。日本は世界最大の債権国であり、外国にある資産はGDPの60%に上るし、日本の民間部門の資産は公的部門の債務をはるかに上回る。また、政府債務は日本人が日本人自身に借金する方法であり、日本が財政危機に直面するというのは奇妙な説だ、と述べ、

国は逆境においてその気概を示すものであり、日本人は確実にそうするだろう。必要なのは、指導者が国民の気概に見合う力量を持つことであり、それができれば、日本はこの惨事から再生できる、と結んでいます。


今回の地震、津波、原発事故などが日本経済に与える影響について、予備的な考察をした論説です。結論としては、日本は大丈夫、指導者が国民と同様の気概と根性を示せば、再生するだろうと言っているもので、元気づけられます。

また今回の悲劇の被害は甚大であり、日本経済は打撃を受けるが、影響は世界金融危機の方が大きい、というのはその通りでしょう。元々、供給過剰の経済だったので、復興需要が出てくれば、需給ギャップの縮小にもつながります。個々の企業の問題は別として、経済全体に関してはあまり心配することはないように思われます。

また、財政赤字については、国民は国債を債権として持っており、政府が債務を負っていますが、日本全体としては、国民の債権と政府の債務は相殺し合いますし、外国との関係では、日本は世界一の債権国です。

そこで、政治指導者がしっかりすべきだというウルフの指摘はその通りですが、民主主義国では、国民が主権者であり、国民が指導者を選ぶのですから、結局国民がしっかりした選択をしなければならないということでしょう。変なポピュリズムに惑わされないことが必要です。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 12:54 | 日本 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント