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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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財政破綻路線の現実 [2011年02月28日(Mon)]
1980年代と異なり、累積債務は今日すぐれて「先進国問題」となっていますが、わが国でも著名なPeter Petersonが、ファイナンシャル・タイムズ2月28日付でこの問題を取り上げ、放置した場合のドル暴落、金利暴騰、保護主義蔓延などの危機シナリオについて注意を促しています。

すなわち、先進諸国の累積債務は2035年までにGDP比180%に達しうる。中でも、米国が抱えるリスクは深刻だ。一つには、負債の50%近くが外国の手にあるからで、これは当然、ドル暴落への呼び水になり得る。ニクソンが金ドル交換停止に踏み切った1970年当時の負債比率は5%に過ぎなかった、

さらに金利の高騰リスクがある。借金が増えれば、借り入れコストが高くなるのは当然で、2035年時点で、米国連邦債務の利払い負担は、控え目に見ても、GDP比13%に達するだろう。これは、現在、連邦政府が教育、研究開発、そして、インフラに支出している額の総計の3倍を超える、

オバマ大統領は、投資と技術革新による「成長シナリオ」を提唱するが、それを実現したいなら、国防費を含むすべての支出を俎上に乗せて再検討し、債務の累積に歯止めをかけることに努めなければならない、と述べ、

実は、第一次世界大戦中とその戦後期に、似たような事態から先進各国が軒並み債務不履行に陥った前例があるが、その時の経験から、現在説かれているような債務削減へ向けた国際協調は実効性が非常に怪しい。結局は、各国政府が自ら努力するしかないだろう。何よりもすべきことは、債務削減に向けた青写真を早く示し、市場の信用を固めることだ、と言っています。

ピーターソンはニクソン政権で金ドル交換停止に至る政策過程にじかに立ち会い、同政権の末期には商務長官を務めています。その後、ウォール街で今日言うM&Aファンドの先駆けとなるブラックストーン・グループを興し、日本とも深い関係があります。社会保障コストの高まりやそれが財政に及ぼす悪影響について最も早くから、かつ一貫して警鐘を鳴らしてきた人物として、米国諸方面に厚い信用を築いています。今回の指摘は、彼自身の名を冠した在ワシントンの国際経済研究所による長期予測に依拠していますが、やはり相応の重みをもって受け止められるでしょう。

日本は、深刻な銀行不良債権問題が生じて、他より早くこの問題を処理せざるを得なかったことから、現在、先進国の中で最も健全な銀行セクターを持っています。ピーターソンが言うように、今後、先進各国を累積債務問題が襲うことはほとんど必定の今、他国に先んじて負債を積み上げた日本が、その削減でも先んじることができれば、来るべき金利暴騰時代を相対的に軽傷で乗り切ることができるでしょう。そのためには、警報が出されている今、備えを急ぐ必要があります。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:47 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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