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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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ソ連崩壊15年 [2006年12月24日(Sun)]
12月24日付けのワシントン・ポストは、ソ連崩壊15年を記念して、複数のロシア専門家の論説を載せています。その中で、スタンフォード大学フーバー研究所研究員Michael McFaulは、ソ連崩壊が相対的に平和裏に行なわれ、ハルマゲドンが回避されたことは、何よりも評価すべきだと論じています。

その上でマックファールは、ソ連崩壊後のロシアは、@国境の画定(旧ロシア共和国の国境を尊重するのか、あるいはロシア人が居住した地域をロシアに取り込むのか)、A命令経済から市場経済への転換、そしてB新しい政治体制の確立という3つの大仕事を一挙に成し遂げなければならなかった、と指摘しています。

マックファールはこれら3課題について、国境は旧ロシア共和国の国境が採用され、経済は(問題はあるものの)市場経済になったことを高く評価しています。他方、政治面では、ソ連の専制的制度はなくなったが、それに代わって民主的制度が確立されたわけではない、と言っています。

そして今のロシアは、偶然大統領になったKGB出身者とその取り巻きが、7年の間に国家の主要機構と主要資産を支配するようになった状況にある、国家は市場を導く「見えざる手」ではなく、「略奪する手」になっている、と評しています。

ロシア人は今なおソ連時代に郷愁を持っていますが、20世紀の世界政治で、ソ連の崩壊は大変良かったことです。そしてマックファールが言うように、「ハルマゲドン」がほぼ回避された意義は、過小評価すべきではありません。相対的に平和裏に大帝国を解体したのは、ロシアの英知の現れです。恐れられた巻き戻しはもう起きないでしょう。こうした事態を先導したエリツィンの功績は高く評価されるべきです。

ただロシアの民主化は今の段階では失敗したようであり、現在のロシアは民主主義とは程遠い、権威主義の国となり、KGB的手法が幅を利かせています。ソ連崩壊とともに起きた民主革命は不成功に終わったということでしょう。

こうした事態に至った責任をエリツィンの政策に求める議論がありますが、民主主義の息の根を止めたのは、主としてプーチンの政策です。エリツィンに責任があるとすれば、KGBメンタリティを持つプーチンというKGB上がりの人物を後任に取り立ててしまったことにあります。



Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:31 | ロシア・東欧 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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