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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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イスラム世界の民主化の自主性 [2011年02月20日(Sun)]
ロサンジェルス・タイムズ2月20日付で、米陸軍の軍人で、イラク戦争を一貫して厳しく批判してきたAndrew J. Bacevichが、今起きているアラブ世界の民主化は、米国主導ではなく、アラブ世界の国民が自ら行っているものであり、それによってテロとの戦いは戦略的に的外れなものになった、と論じています。

すなわち、中東の民衆は地域を変革しようとしており、それによって、「テロとの戦い」を戦略的に的外れなものとしてしまった。「テロとの戦い」は、@イスラム世界は変わらなければならない、しかし、Aイスラム世界は自ら変われないので、米国が軍事力を触媒としてそうした変化をもたらさなければならない、との二つの観念に基づいていた、

しかし、実際は、アフガニスタン、イラク、アフパックにおける米国の努力は、功罪相半ばするものだった。他方、イスラム世界の人々は変化を求めているが、米国に「解放」される必要はなく、自分たちで十分解放できることを示した。米国は歴史がどう動くかはわからないことを、謙虚に認めるべきだろう。ただ、救いがあるとすれば、アラブの民衆が夢見ていることは、米国民が夢見ていることとさして変わらないことであり、夢が一致すれば、文明の衝突は避けられる、

もし政治的自由と経済的機会を求めるイスラム世界の民衆が勝利すれば、それは米国のおかげでなく、米国にも関わらず勝利したということになるだろう。そしてイスラム世界の民衆が自らを解放することで、われわれ米国人も解放され、イスラム世界の命運を決めるという間違った聖戦はついに終わることになろう。そうなれば、われわれはイスラム世界の民衆に大きな借りができることになる、と言っています。


今回のチュニジアとエジプトの政変が、米国の政策のもたらしたものではなく、両国の民衆の自発的行動の結果であることは、バセヴィッチの指摘を待つまでもないでしょう。

しかし、イスラム世界での民主化の動きと「テロとの戦争」との関係付けについての彼の主張は的が外れているように思われます。確かに、イラク戦争は、サダム・フセインを追放してイラクの民主化を図る、というのが大義名分でしたが、アフガン戦争は、タリバンを叩くことが目的で、アフガン民主化は直接の目的ではありませんでした。また、「アフパク」戦争も、アフガニスタンやパキスタンの民主化を試みているわけではなく、さらに、現在デモが起きているイエメンで民主革命が成功したとしても、イエメンを基地とするテロ活動が直ちになくなるとは思えません。

つまり、イスラム世界で民主化が広がるとしても、テロとの戦いがなくなるわけではありません。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:27 | 中東 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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