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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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中国の新ステルス機 [2011年01月23日(Sun)]
1月23日付のAP通信が、中国が新たに開発しているステルス機は、1999年3月にセルビアで撃墜された米ステルス爆撃機F-117 Nighthawkの破片から学んだ技術に基づいている可能性が高いとする記事を載せています。

それによると、ペンタゴンは、ソ連製のSA-3がNighthawk を撃墜出来たのは、巧みな戦術もあったが、ほとんどは幸運のお陰だったと見ている。そして、当時のクロアチア参謀総長が、中国の工作員が飛び散った機体の破片を地元の農民から買い集めていたと言っている。また、ミロセヴィッチは、入手した西側の機器は常に中国かロシアに見せていたと言われ、ロシアのスホイT-50ステルス戦闘機も、Nighthawksから技術を盗んだ可能性があると言われている、と言っています。


これで、F-22のコピーにしては中国の新ステルス機はサイズが大き過ぎるという疑念も解明されることになります。実は、セルビアでNighthawkが撃墜された当時、バラバラになった機体を現地の人々が引きずり回している映像を見て、一部関係者の間では、『あの技術が中国やロシアの手に渡るのも時間の問題だろう』という会話が交わされていたことが思い出されます。今さらながら、「やはり」という感を禁じえません。

また、今回の胡訪米に合わせて、GEが中国航空工業集団公司(AVIC)といくつか取引を成立させていますが、AVICの傘下にはゲイツ国防長官訪中に新ステルス機の試験飛行をぶつけてきた企業も含まれます。これなども、軍民共用技術流出を防ごうとしてきたこれまでの努力は何だったのかと、首を傾げざるを得ない事案でしょう。

ただ、優先度の高い情報の一つと思われる、高い電波吸収性を持つ機体表面材料は、現在では飛行機だけでなく、高層ビルの壁面などにも広く利用されており(市街地での電波の反射による干渉を軽減するため)、Nighthawk の破片から得た情報が決定的だったと断言はできないと言われています。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:32 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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