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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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イランの核施設に対するサイバー攻撃 [2011年01月17日(Mon)]
ニューヨーク・タイムズ1月17日付で、米国とイスラエルが共同開発したコンピューター・ウィルス、Stuxnetの攻撃により、イランのナタンツ濃縮施設の遠心分離機の一部が操業不能となり、その結果、イランの原爆製造能力は数年遅れることになった、と同紙記者William J. Broadらが解説しています。

それによると、Stuxnet開発の手がかりは、2008年初め、ドイツのシーメンスと米国のアイダホ国立研究所が、シーメンス製産業機械のコントロール・パネルのコンピューターの弱点を見つけ出す共同研究を行う中で得られた。米情報筋によれば、ナタンツの濃縮施設のコントロール・パネルもシーメンス製だ、

その後、イスラエルの核兵器計画の本拠地であるディモナで、ナタンツと同型の遠心分離機が作られ、Stuxnetの有効性がテストされた後、ナタンツの濃縮施の遠心分離機をサイバー攻撃、その5分の1ほどが操業不能になった、

欧米の専門家によれば、Stuxnetは、これまでに考案されたウィルスに比べてはるかに複雑で独創的なものだと言う、

今回のStuxnet攻撃は、イランの遠心分離機の一部を操業不能にしただけで、完全な成功とは言えず、これで攻撃が終ったかどうかも不明だが、イランの核兵器製造を遅らせる効果はあったようだ。米、イスラエル両政府ともStuxnetについて何も言っていないが、近々退官するモサドのDagan長官は、最近イスラエル議会で、イランは技術的困難に直面し、原爆の製造は2015年までは出来ないかもしれないと述べており、その主因はStuxnetによる攻撃だったと思われる、

実はイスラエルは2年前、イスラエルの核施設を爆撃すれば、イランの核計画を3年遅らせることが出来るとして、バンカー・バスター弾などの提供をブッシュに要請して断わられている、Dagan長官の発言は、爆撃せずに同じ時間を稼げたとイスラエルが考えていることを示唆している、ということです。


イランが濃縮で技術的問題に直面しており、それがサイバー攻撃によるものらしいという話はしばらく前からありましたが、これほど詳細な解説記事が出て来たのは初めてです。イスラエルによるイランの核施設爆撃が懸念されていましたが、米、イスラエルの政府高官がイランの核開発の遅れをはっきり示唆していることから、イランに対する爆撃の可能性は当面遠のいたと言えるでしょう。

昨年11月段階でのIAEAの報告には、サイバー攻撃関連の記述はなく、サイバー攻撃がイランの濃縮計画にどのような影響を与えたかは不明ですが、米国もイスラエルも安堵の胸をなでおろしているようであり、イランの核開発をめぐる緊迫感がやわらいだのは確かなようです。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:15 | イラン | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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