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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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ウィキリークスによる情報漏えい [2010年11月30日(Tue)]
ウォールストリート・ジャーナル11月30日付社説とワシントン・ポスト11月29日付社説がウィキリークスによる情報漏洩問題を取り上げています

WSJは、今回の漏洩は前回漏洩されたアフガンやイラク文書のように人の生命を危険にさらすものではないが、イエーメンとパキスタンに関しては実害があり、米外交にダメージを与える。今後、外国の高官は米大使館の人間に率直に話さなくなるだろう、

今回の事件の教訓の一つはインターネット時代に秘密を守るのは難しいということだ。容疑者のマニング上等兵があれだけ大量の公電へのアクセスを持っていたのは驚くべきことだ、

政府が秘密を持ち過ぎることには反対であるし、北朝鮮とイランのミサイル協力などは国民に知らせる方が良かったが、それでもアサンジュのような人間は止める必要がある、と述べ、

国務省は、アサンジュは米の法律に違反していると言っているが、漏洩者や出版元が罰せられたことはこれまでほとんどない。アサンジュのような人物を曖昧な法で罰すると、ジャーナリストの処罰にも波及しかねない。議会と政府はアサンジュのような挑発者に焦点を合わせた死刑罰も含む法を作るべきだ。アサンジュは自己正当化をしているが、彼がやっていることは民主主義への敵対行為だ、と言っています。

他方、WPは、今回の漏洩はさほど害があるわけではないが、米国務省と外交を傷つけ、イエーメン、パキスタン、サウジなどとの関係を損なう。今後、外国要人は率直に米外交官に話さなくなるだろう、

ワシントンではウイキリークスへのサイバー攻撃やアサンジュの訴追が言われているが、これは過剰反応であり、それよりも議会や政府、特に国防省は、なぜイラクの基地にいたマニング上等兵がこれだけの外交公電にアクセスを持ち、ダウンロードできたかを急いで解明すべきだ。国務省からの漏洩はないのだから、国防省についてもしかるべき方策を講じることはできるはずだ、と言っています


今回の漏洩は米国にとって大きな失策であり、国際政治に与える影響は大きいものがあります。米国がこのような機密も守れないとなれば、信用は地に落ちるでしょう。米国は超大国ですから、米外交官に知らせるべきことは伝えなければなりませんが、それ以外の本音を言う人はいなくなるでしょう。ただ、WSJの社説もWPの社説もそうした問題を一応指摘はしていますが、危機意識に少し欠けるきらいがあります。

また、両社説ともにマニングがどうしてこれだけの国務省公電にアクセス出来たのか疑問を呈しているのはその通りでしょう。9・11テロ後、情報共有が足りなかったとの反省から、情報配布基準を従来の「知る必要」から、「共有する必要」に変える動きがあり、それがこうした不祥事につながっています。米国は情報管理・配布基準を再度見直すべきでしょう。

ただ、インターネット時代だから情報が漏洩しやすくなるという主張は、情報伝達手段の問題と情報の配布や管理の問題を混同した俗論です。




Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:02 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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