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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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米=トルコ関係の現状と課題 [2010年07月28日(Wed)]
米AEIのウェブサイト7月28日付に、同研究所のMichael Rubinが、トルコの外交政策について下院外交委員会で行った自らの証言を掲載しています。

それによると、エルドアンと公正発展党はトルコという国を根本的に変えてしまった。彼らはアラブ諸国やイランとの関係を改善しただけではなく、シリアやハマスなどの過激勢力に好意的であり、イランの核計画も是認している。ところが米国はこうしたトルコの変貌を認めず、相応の政策変更をしていない、

トルコの変化は、欧州に冷遇されたことや、イラク戦争への反発が原因だという説もあるが、それだけでは、エルドアンがアルカイダ支援者や反米・反ユダヤ主義宣伝を支持したり、西洋リベラリズムを拒否することは説明できない。より根本的な理由は、彼らが、中東と西側の架け橋になることではなく、中東、更にはイスラム世界の指導国になることを目指していることにある、

このように、トルコは信頼できる同盟国ではなく、穏健イスラム勢力でもない。ところが、西側には、トルコはNATOの南の防波堤であり、唯一のイスラム同盟国だという信仰がある。また、確かに、トルコはアフガンで多くの欧州諸国よりも大きな役割を果たしており、イラクやアフガンへの重要な兵站基地も提供している。従って、米国はトルコとのパートナーシップを切ることはないが、もはやトルコの善意を前提とすべきではない、と言っています。


ルービンは、エルドアンがトルコを根本的に変えてしまったのに、米国はこの変化を正当に評価せず、これまで通りにトルコに対処している、と批判しているわけです。しかし、トルコ切捨て論につながるような政策論は、米国のためにも、中東情勢の改善のためにもならないと思われます。また、事実認識についても、エルドアンはイランの核計画を是認している、ハマスをファタハ以上に支援している、反ユダヤ主義宣伝を支持している等は、ほとんど誤認と言ってよいでしょう。エルドアンはガザ船団拿捕事件の際にも、トルコの世論が反ユダヤ主義に傾かないようにすべきだと強調しています。

トルコが変化してきたことは、ルービンの指摘どおりであり、それは単に欧州からの冷遇やイラク戦争への反発が原因ではなく、トルコが中東の指導的地位を目指しているからだというのも正しい指摘です。しかし、こうした変化をどう捉えるか、それにどう対応するかはより慎重な検討が必要であり、トルコにF-35を売却しないなどの決定はトルコ側の反発を惹き起こすことになります。

国家間関係は悪循環に陥ると不信が不信を呼び、どんどん悪くなることがあります。トルコは親日的な国であり、日本は米=トルコ関係の悪化を食い止めるうえで、一つの役割を果たす力があるのではないかと思われます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:02 | 中東 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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