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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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米国家情報評価(NIE)の在り方  [2010年07月19日(Mon)]
ウォール・ストリート・ジャーナル7月19日付で、米ハドソン研究所のGabriel Schoenfeldが、イランの核情報をめぐる国家情報評価(NIE)のあり方に注文をつけています。

それによると、2007年に情報当局は、「テヘランは2003年秋に核兵器計画を停止したと高い自信を持って判断する」という文で始まる国家情報評価(NIE)を発表、これによって対イラン軍事攻撃の目はなくなり、制裁論議も掘り崩されてしまった、

ところが2007年NIEには欠陥があった。イランは「兵器化」を停止したとしたが、爆弾を作る上でカギはウラン濃縮であり、兵器設計は簡単にできる。独、英、仏、イスラエルの議会やメディアはこの点を問題にした。さらに、その後、このNIEは、イラクは大量破壊兵器を多数保有しているとの誤情報がイラク戦争につながったことへの反省から、対イラン軍事攻撃を選択肢から排除することを念頭に作られたことが明らかにされた、

昨年末以来、情報当局はイランの核計画について新しいNIEの準備を開始、パネッタCIA長官もイランは核兵器を開発していると言明したものの、今回のNIEも軍事的選択肢を排除し、対イラン制裁を正当化することを目指している。例えば、イスラエルはイランの核兵器開発までに12カ月としているのに対し、米情報当局者は短くて2年、長くて5年としている。これは重要な問題であり、又もやいい加減な情報に基づいてイランの核情勢を判断するわけにはいかない、

そこで、NIEの作成過程を吟味するために中立的な外部パネルが設けられるべきだ。独立した調査は、イラクの大量破壊兵器とイランの核問題に続く、第3の情報の失敗を避けるために役立つだろう、と言っています。


スコーンフェルドは、2007年NIEは確かに特定の政策推進に使われたが、現在作業中のNIEもそうなりかねないとして、独立調査委員会のようなものを設けることを提案しているわけです。

しかしこういう提案にも問題があります。NIEは情報当局が客観的に情勢判断をして政策当局に提供するものであり、本来、機密扱いされるべきものです。ところがNIE公表に向けて圧力がかかり、その一部が開示されるようになった結果、2007年NIEのように、NIE自体が世論を巻き込んで政策の方向性に影響を与えるようになっています。そのため、例えばチェイニーがイラクの大量破壊兵器についてのCIAの情勢判断の方向性に関心をもち、影響を与えようとしたように、政治家がNIEの内容に注文をつけるということが起きています。

情報当局と政策当局の区分を厳格にし、前者は客観的に情勢判断をするということにしないと、情報の政治化や情報に政策が振り回されることになります。第三者機関でNIEのあり方を審査するというスコーンフェルドの提案は、NIEの本来の機能を損なう恐れがあるでしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:20 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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