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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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オバマ戦略弁護 [2010年07月15日(Thu)]
ファイナンシャル・タイムズ7月15日付で同紙副編集長・政治問題解説委員のPhilip Stephensが、一般にオバマには戦略が無いと批判されているが、実は一貫した戦略があり、それが成功しているとは言い難いが、他に良い選択肢があるわけでもあるまい、と言ってオバマを弁護しています。

すなわち、オバマは国際戦略が無いともっぱら非難されているが、実は彼は一貫した戦略を実施してきた。ただ、国内の政治的騒音や解決困難な国際情勢によってそれがかき消されているだけだ、

また、ブッシュが力を信奉したのに対し、オバマは逆に米国を過小評価し過ぎだと批判されるが、破綻国家やアルカイダ等の非国家的勢力が台頭し、核拡散や気候変動が問題となっている現在、従来のような考え方は通用しない。米国の役割は、種々の多国間関係のリーダーとして、新興勢力を抑えるというよりもそれらを包容して、国際秩序を増進させることにある。オバマ戦略は、厳しい内外環境にあって成功しないかもしれないが、誰もそれ以外の選択肢を示していないではないか、と言っています。


スティーヴンスはリベラル的立場からか、あるいは、皆がオバマを批判している状況にあって、英国的天の邪鬼の立場からオバマを弁護しているのでしょう。

しかし、オバマの姿勢に危惧を抱かされるのは、軍事問題について見識が無いこと、特に中国の台頭による国際的パワー・バランスの変化に対して少なくとも表面上無関心であることです。現状では、国際問題に関するリベラルと保守の差は、中国の勃興の長期的影響についての認識の差にあると言っても過言ではありません。

9.11以来、国際情勢は変わってしまい、米国が対応すべきは対テロ等の「新しい戦争」であり、また、気候変動などの地球的課題が主要な国際課題になって来たと言うのがリベラルの立場です。それに対し、国際関係の基本はバランス・オブ・パワーであり、長期的に最も警戒を要するのは中国の軍事力の増大だというのが保守の認識だと言ってよいでしょう。

この論文も、新しい戦争と気候変動等に触れるのみで、世界的バランス・オブ・パワーの変化については何の関心も示していず、典型的なリベラルの説と言えます。ただ、オバマ戦略は成功しないかもしれないが、他に良いアイディアも無いではないか、という結びの部分の指摘は、アフガニスタン、イラン、北朝鮮の現状を考えると、英国的現実主義とも言えますが、他面、ブッシュの時代でも同じことが言えたでしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:56 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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