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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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財政制約下の米国防戦略 [2010年06月22日(Tue)]
米戦略予算評価センター(CSBA)所長で戦略家のAndrew F. Krepinevich, Jr.が、経済不況や財政負担増の中で、米国が世界の覇権国として軍事力を維持するには、新たな戦略が必要だと論じています。論文は、5月13-14日にプリンストン大学で行われたシンポジウムで発表、CSBA のPerspective 6月号に掲載されたものです。

クレピネヴィッチは、経済不況、対テロ戦争の負担、社会保障費の急増などが、整合性ある防衛予算の編成を困難にしている。かつてポール・ケネディは「帝国の拡がりすぎ」と言ったが、現状は「社会保障の増大し過ぎ」だ、と指摘した上で、

100年前、当時の覇権国、英国は、経済力の相対的沈下の下で数々の困難な選択をしなければならなかった。すなわち、それまでの two-power standard 戦略(英国は、世界のどの地域でも、第二、第三の海軍国の海軍の合計よりも、優勢な海軍を維持する)を捨て、西半球については米国、アジアについては日本の優越を認めた。また、そのために、日英同盟、後には英仏協商を結び、さらに、技術革新のテンポを速め、競争国が英国に追いつくための負担を増大させることに努めた、

それに較べてオバマ政権は、問題点を挙げるばかりで戦略というものを持っていない。過去の英国と同じように同志を糾合すべきだ。金が無ければ、頭を使うべきだ、と言っています。


この論文は、オバマ政権に新しい事態に対応する戦略が無いことを指摘し、同盟国と協力して防衛負担を分担せよ、という以外に具体的な提案はしていません。要するに、この論文の主眼は同盟国との防衛分担にあります。

大英帝国の歴史的経験を踏まえた思いつきの議論のようにも聞こえますが、これは現実を反映した本格的な戦略論と言えるように思えます。イラク、アフガン戦争で疲弊し、経済危機に見舞われた米国の軍事体制が、中国の勃興を前にして、財政的制約に苦しんでいるのは事実です。

実は、こうした戦略を実行に移すのは、米国にとって初めてのことではありません。1970年代、デタントに酔った西側諸国は、初めて出現した環境問題と社会保障への財政支出のために、防衛費を削減、この間二度の石油ショックで膨大な収入を得たソ連は軍拡に集中し、米国に追いつき追い越す態勢となりました。事実、1980年代初頭の米国の対NATO外交、対日外交は防衛費増額要求に終始したと言っても過言ではありませせん。そして、西側諸国は米国の期待に応え、ソ連を崩壊に追いつめました。

日本は今後の日米関係において、日本の防衛費の問題が必ず議題に上ると覚悟しておくべきでしょう。過去7年にわたって日本の防衛費が減り続けているのはどう見ても異常な事態であり、日米防衛分担を論じる際、この問題は必ず米側から提起されるでしょう。








Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:05 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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