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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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継続するアメリカンパワー [2010年05月31日(Mon)]
ロサンジェルス・タイムズ5月31日付で、米外交問題評議会のMax Bootが、中東地域と太平洋地域を訪問してきた結果を踏まえ、米国を「衰退する大国」とするのはナンセンスだと論じています。

すなわち、米国は世界各地に軍事基地を置き、米軍司令部は、中央軍司令部や太平洋軍司令部など、全世界をカバーしているが、中国も含めてこうしたことはしている国はほかにない。中でも、中東での米国の軍事プレゼンスは特に大きい。しかし、アラブの反米主義がよく言われるが、湾岸諸国はイランの脅威から自分たちを守ってくれるのは米軍しかないと考えている。中国の人民解放軍に期待するスルタンなど一人もいない、

事情は極東でも同じで、各国は中国と商売はするが、中国の覇権志向を警戒している。日本の鳩山政権も、沖縄基地問題で政策を変更して米国の抑止力減少をもたらす余裕はないと認めたし、核武装した北朝鮮を抑止し得るのは米だけだと承知している韓国は、米軍からの有事指揮権の返還を先延ばししてもよいと言っている、

勿論、各地の反米主義や、米国を脅かすイラン・中国・イスラム過激派等の脅威、そして債務・軍事支出減少・海軍の縮小等の米国自身の弱点を無視するものではないが、米国には前例のないパワー・プロジェクション能力があるほかに、地域の強国からの保護を米国に期待する多くの国の善意がある。これら国は米国に憤慨することもあるかもしれないが、隣国を恐れており、結局、それが世界で唯一の超大国という米国の地位を最終的に支えている、と言っています。


論説の言っていることに賛同できます。米国衰退論はこれまでも定期的に現れ、話題にもなりますが、米国が世界で築いてきた信頼関係や、その結果としての軍事基地網は大変な資産であり、他国には間単に真似のできないものです。21世紀半ばになっても、中国が米国のこうした地位に挑戦するのは難しいでしょう。

こうした米国に欧州や日本が協力していけば、世界の重要部分で「パックス・アメリカーナ」は大筋で今後も相当期間続くことになります。

日本は米国も疲弊してきていることを認識し、その負担を軽減するような政策展開をすべきでしょう。環境問題での協力を安保協力のように見なすなどの誤魔化しめいたことは止め、海軍力増強等のための防衛費増額や集団的自衛権問題の解決など、安全保障問題に正面から取り組むべきであり、そうすることは、アジア・太平洋地域の平和の持続につながります。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:18 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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