• もっと見る

街がシアター 街がミュージアム

ワクワク・ドキドキする感動を街の中でいっぱいしたい。
大人がいきいき、楽しく遊べる街が好き。
思ったことを自分らしくそんなブログです。


プロフィール

おいちゃんさんの画像
おいちゃん
プロフィール
ブログ
<< 2007年07月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
最新記事
最新コメント
高松宮記念 2011
ワックス清掃 (03/19) クロ
盛岡を離れます (12/10) やま
盛岡を離れます (12/10) やま
老舗の居酒屋 (12/09) ほうかごゆうこ
佐賀に来てます (10/17) はなみずき
山の中のお月見 (09/23) チャビン
増殖中! (08/27) チャビン
『僕僕先生』 仁木英之(新潮文庫) (06/24) jin
伊勢海老! (02/23) ナニワ生まれの西都人
日本の古典文学 (02/23)
リンク集
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
最新トラックバック
https://blog.canpan.info/oichan/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/oichan/index2_0.xml
Google

Web全体
このブログの中
ジェフ・アボット『図書館の親子』(ハヤカワ文庫) [2007年07月07日(Sat)]

 図書館シリーズの三作めである。主人公のジョーダン君はテキサスの田舎町の図書館長。多分相当の秀才で、東部の大学を卒業して編集の仕事をしていたが、母親のアルツハイマー病の発病を契機に故郷に帰ってきた。

 小さな町での事件は複雑な人間関係が常につきまとう。だってそうだろう。皆が顔見知りの町での事件、それも殺人(基本的には小さな町で殺人事件が頻発する可能性は相当低いはずだが、小説はそうはいかない)となると親戚・知人・友人・同級生とおよそ関わりになる人たちは大なり小なりなにかしらの関係性を持っている。

 このシリーズの大きな特徴は事件の背景に主人公一家のささやかな秘密(現実だったら大事の)が複線として存在することだ。
 この第三作は6年前に理由も分からず蒸発した姉の夫が突然帰ってきたことから話が始まる。事件に必ず家族の秘密が見え隠れし、それを捜査する警察署長は子ども時代からの親友で、しかも姉の現在の恋人候補となれば話は相当にややこしい。ましてこのお姉さん、猪突猛進だから困ったもんだし、DVや少年の心の傷、知的障害の子供との育ちあいなど、話はいろいろ寄り道したり重なったりと複雑に絡み合いグングン展開していく。・・・

 今回の話の核は20年前の大型台風の中での肝試しの話である。いつの時代でも、どこの国でも男の子にとって「弱虫」という言葉は大きな意味を持つらしい。映画『スタンド・バイ・ミー』も大人になる一つの儀式のような少年たちの冒険談だったが、小生のような病弱で気の弱い優等生にとっては無縁の世界だったけどね。
 でも腕白小僧の間では・・・。ましてそこで死体を発見しちゃうところも映画と一緒だけど、実はこれは殺人だったかもしれない・・・。

子どもから成長して大人になって、変わっていってしまった部分や全然変わらずに生きてきた部分など、ちょっとほろ苦い描写もある。あとは各自でどうぞ。
| 次へ