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2026年01月20日

中山間地域等の農業振興を図る作物として重要な役割を果たしている「薬用植物」と薬用作物産地支援栽培技術研修会の案内

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 漢方製剤等の原料となる生薬の年間使用量は約34千トン(R4年度)。このうち、国産は約2.9千トンと全体の約1割であり、約8割を中国産が占めている。また、漢方製剤等は医療現場におけるニーズが高まっており、その生産金額は直近5年間で約28%増加し、2,539億円(R5年度)。原料となる生薬の需要量も、今後とも増加が見込まれており、原料生薬の安定確保に向けた調達先の複線化のため、国内での生産拡大への期待が高まっている。
 薬用作物は北海道から九州・沖縄に至る全国各地域において、各地域の気候条件等に適した品目が生産されており、生産面では、複合経営の一品目として経営の安定化や経営資源の有効活用につながり、また、中山間地域等の農業振興を図る作物として重要な役割を果たしている。
 農林水産省では、2013年から「薬用作物等地域特産作物産地確立支援事業」により薬用作物の国内栽培を推進している。

◆農林水産省 薬用植物のページ
 https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/yakuyou/yakuyou.html
▲薬用作物をめぐる事情(令和7年12月時点)
 https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/yakuyou/attach/pdf/yakuyou-60.pdf
▲令和8年度概算予算決定
 続的生産強化対策事業のうち茶・薬用作物等地域特産作物体制強化促進
 令和8年度予算概算決定額 1,150百万円(前年度 1,150百万円)
 https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/yakuyou/attach/pdf/yakuyou-61.pdf
▲中山間地域の農業振興として進められている薬用作物の産地化事例集(令和7年2月)から、3地域の事例を紹介する。
【7】上市町薬用生産組合(富山県上市町★)は、富山県では薬用作物の生産拡大を図っており、その中でシャクヤクは中山間地域での新たな産業化や耕作放棄地対策となる品目として注目されていた。中山間地域の多い上市町では、鳥獣害の食害を受けにくい品目であること、同町にある薬用植物指導センターにおいて長く栽培実績がある品目であり、すぐに技術指導が受けられること、景観作物として観光面でも利用できることなどからシャクヤクを選定した。上市町の町花にもなり関心は高く、遊休農地への作付が増えた
【11】井原市地域耕作放棄地対策協議会(岡山県井原市★)は、市街地を除いたほとんどが山間地域で、担い手不足や農業者の高齢化により耕作放棄地の増加が問題となっていた当市において、平成21年3月に協議会を設立し、耕作放棄地対策となる作物を探していたところ、中国依存の高い薬用作物増産の機運を察し、平成22年に農業委員を中心に薬用シャクヤクの栽培を提案。情報収集や勉強会を重ね、平成26年度に国の事業を活用し試験栽培をスタートした。根の収穫ができない間の収入源として3年目、4年目の株から切り花を採取・出荷するほか、花摘み体験ツアーを開催。薬用プラス切り花で収入を確保した。
【12】農事組合法人ヒューマンライフ土佐(高知県越知町★)は、越知町は農地の多くが傾斜地に位置する条件不利地で、農業者の減少や高齢化により耕作放棄地が拡大したことから、傾斜地でも栽培可能であり、農閑期である冬場の収入源となり得ることに着目し、昭和60年からミシマサイコの栽培を開始。平成2年に「農事組合法人ヒューマンライフ土佐(以下、ヒューマンライフ土佐)」を設立し、ツムラとの契約栽培により生産者の安定した収入を確保。高知県内のみならず、香川県や愛媛県まで栽培地域を拡大。当初はシャクヤク、トウキ等も栽培していたが、独自に栽培技術を開発し収益性の面からミシマサイコが定着。平成2年からダイダイ、平成14年からサンショウの栽培を開始。傾斜地で栽培可能であり、収穫物が軽量なため高齢者でも容易に生産が可能。

▲薬用作物の産地化事例集(令和7年2月)
 https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/yakuyou/yakuyoujirei.html
【1】株式会社夕張ツムラ(北海道夕張市)センキュウ、トウキ、オウギ 他
【2】JA道央薬草生産部会(北海道千歳市)ブシ、トウキ
【3】八峰町(秋田県八峰町)キキョウ、カミツレ、カノコソウ
【4】群馬県(群馬県北部地域)トウキ
【5】株式会社マイファーム(千葉県・茨城県)トウキ
【6】長興社信州人蔘センター協同組合(長野県)オタネニンジン
【7】上市町薬用生産組合(富山県上市町★)シャクヤク
【8】岐阜市薬用作物栽培協議会(岐阜県岐阜市)キキョウ、カワラヨモギ、ジオウ
【9】九鬼産業株式会社(三重県大紀町、四日市市ほか)カノコソウ
【10】宇陀市薬草協議会(奈良県宇陀市)トウキ、セネガ
【11】井原市地域耕作放棄地対策協議会(岡山県井原市★)シャクヤク
【12】農事組合法人ヒューマンライフ土佐(高知県越知町★)
   ミシマサイコ、サンショウ、ダイダイ他
【13】一般社団法人八女機能性作物協会(福岡県八女市)ソヨウ(シソ)、ボクソク
【14】あさぎり薬草合同会社(熊本県あさぎり町)
   ミシマサイコ、サンショウ、ボクソク、粳米(コウベイ)
【15】杵築市薬用植物栽培組合 (大分県杵築市)キキョウ(ミシマサイコ、カワラヨモギ他)

最近では、若者の漢方薬のニーズも伸びていることから薬用植物への期待も高い。

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■一般社団法人全国農業改良普及支援協会■
《(令和7年度茶・薬用作物等地域特産作物体制強化促進)薬用作物産地支援栽培技術研修会(オンライン)の開催について≫

 全国農業改良普及支援協会と日本漢方生薬製剤協会が設置する「薬用作物産地支援協議会」では、農林水産省の茶・薬用作物等地域特産作物体制強化促進により、現場における栽培技術の指導体制の確立を支援するため、薬用作物の栽培技術に関する研修会を開催いたしますので、ご案内いたします。薬用作物の産地育成に興味をお持ちの方はぜひご参加ください。
【1】研修の内容 
 今年度は実需者の要望を踏まえた重点品目を考慮した内容とし、以下の日程で実施します。
 具体的なカリキュラムについては、別紙1をご覧下さい。https://www.jadea.org/wp-content/uploads/R7_besshi1_kensyuu_online.pdf
 ・会場:オンライン(Zoom利用)
 ・日程:令和8年2⽉5⽇(⽊)14:00〜16:30
 ・申込締切:1月30日(金) 
 ・定員:50名
【2】研修対象者
 都道府県の普及職員、JA営農指導員、市町村職員、その他薬用作物の産地育成に興味をお持ちの方を対象とします。
【3】受講費用
 無料です。 
【4】受講申し込み
 受講を希望される方は、別紙2の様式により、E-mail(yakuyo@jadea.jp)にて、お申し込み下さい。接続情報(参加URL 等)や資料等はメールでお知らせします。
■別紙1:研修プログラム(オンライン)や■別紙2:研修申込書(オンライン)は下記のページから https://www.jadea.org/news/20251224/

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posted by オーライ!ニッポン会議 at 14:42| 全国中山間地域振興対策協議会