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2025年11月13日

特集「直接支払制度を考える」

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特集「直接支払制度を考える」
 農林水産省の職員の組合(全農林)が発行している月刊誌「農村と都市をむすぶ」に、特集「直接支払制度を考える」(2025年3月号)が掲載されています。

2000(平成12)年度から実施している「中山間地域等直接支払制度」について述べられています。大変参考になります。
https://www.zennorin.jp/wp/wp-content/uploads/2025/09/ntosi202503.pdf

◎農村と都市をむすぶ誌2025年3月号No.876
特集「直接支払制度を考える」        安藤 光義
 ・戸別所得補償の経験に学ぶ        荒幡 克己
 ・直接支払いが農業構造に与える影響
  ―農業補助金の地代化に着目して―    中嶋 晋作
 ・英国の直接支払い
  ―持続可能性と生産性の両立に向けた挑戦 野村 久子
 ・中山間地域等直接支払制度の誕生
  ―農水省と財務省の攻防を中心に―    作山 巧
◎全農林(HP)
 http://www.zennorin.jp/index.php

(参考)
 また、22年前に発表された論文の文末に以下の教訓が示されており、今なお正鵠を得たものとなっています。(一部抜粋)
【EUの条件不利地域農業政策の教訓 ―日本の中山間地域政策を改善するために―】
(農林金融2003・4)https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0304re2.pdf
◎教訓@
 中山間地域の耕作放棄の拡大は、農家あるいは何らかの営農組織への直接支払いによって恐らく防止できる。日本の中山間地域等直接支払制度が多くの農業崩壊地域で効果が発揮できていない第1の理由は、その支払水準が農業収支を黒字化に達していないから。
 ただし、中山間地域等直接支払制度の交付金だけで農業収支を黒字化する必要はない。農産物価格の低下に伴ってスライドする補償金や環境保全型農法の導入を条件とした補助金の方が農家の所得を効果的に保証し環境を改善する効果が高い。
◎教訓A
 手厚い補助をしても中山間地域の農家の減少は結局は食い止めることはできない。
農家への手厚い補助にもかかわらず、ドイツやフランスではの農業経営数は減少を続けている。
危機に瀕している中山間地域農家への補助を厚くすることの本質的効果は、農家の減少を食い止めることではなく、離農農家が放出する農地を集約して農業を引き継ぐことのできる経営体をつくることにある。
◎教訓B
 中山間地域政策の目的が単なる農業維持ではなく農村社会の維持でもあるとしたら,離農した元農家あるいは都市からの移住者(青年,壮年,高齢者にかかわらず)が中山間地域で生活できるように総合的な農村開発が不可欠である。それらは,農村の各種インフラ(道路等の交通手段はもとより,学校,病院等)や雇用を生む産業の発展を核とした開発である。 における近年の農業政策から農村開発政策への重心の移動はそれを意味しており日本でも同様の政策がこれから必要となろう。
◎教訓C
 中山間地域農業・社会の維持には兼業農家の再評価が必要である。
各国の政策も当初専業的な農家を主な対象にしていたが各国とも兼業農家や小規模農業重視の方向に転換している。特に農業基盤の未整備から大規模農家等の育成が困難な中山間地域農業ではその重要な担い手として兼業農家を支援することには合理的な経済的根拠もある。

 ちなみに、現在のEUの農業政策については、農中総研Webセミナー【EUの情勢変化と次期共通農業政策(CAP)改革】が2025年10月22日に開催され、平澤明彦氏(農林中金総合研究所 理事研究員)の資料と動画が下記に公開されていいます。こちらも参考になります。
資料 https://www.nochuri.co.jp/genba/pdf/otr20251028.pdf
動画 https://www.youtube.com/watch?v=9omfZM6wEIE

posted by オーライ!ニッポン会議 at 11:48| 全国中山間地域振興対策協議会