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2025年06月16日

社会問題の解決に向けてより多くの若者に学んで欲しい手法

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 2025年7月19日から21日にかけて、鹿児島県の種子島で開催される【西之表市ちいき学校】は現在参加者を広く募集中である。https://blog.canpan.info/ohrai/archive/846
 この西之表市ちいき学校のスタッフを対象に、地域学校で展開する寄りあいワークショップの事前研修が6月14日(土)に東京大学において実施された。この事前研修は、寄りあいワークショップの運営にかかわる人々のネットワークを広げる意味もあり、3回目となる今回に参加した。
 地域を元気にする寄合ワークショップは、本ブログでもその概要については、度々紹介しているが、7月の【西之表市ちいき学校】はその手法を学ぶ上でも大変良い機会となる。
 
 地域再生寄り合いワークショップの手法は、KJ法の発案者である川喜田二郎氏の下で長年の研究研鑽していた山浦晴男氏が独自に研究開発したものであり、既に離島や山村地域の集落再生において、地域住民自らが課題を把握しつつ、地域を良くするアイデアを発想し事業等を取り組んで行くための手法として、多方面から注目されている。https://blog.canpan.info/ohrai/archive/584
 今回の参加者は、KJ法の移動大学にも参加経験のある大ベテランをはじめ、東京大学や看護系の大学教員、僧侶、農家、地域おこし協力隊員、民間団体代表、団体職員の17名が参加した。講師は、山浦晴男氏(情報工房代表、千葉大学大学院看護学研究院特命教授、黒姫移動大学参加者)
 既に大学の授業でこの手法を学ぶ授業が行われ始めているが、今後社会に旅立つ多くの若者の知的財産として、より実践的に学んでもらう機会も増えていくだろう。

 3回目は、6人程度のチームに3班分かれて、地域の「第一次産業の再起動」と「若者が戻ってくる、その地に居続けることができること」の課題をテーマに、その場で地域を良くするについて意見交換しつつ、アイデアをイラスト付きで各自3枚程度作成し、KJ法(質的統合法)を活用しながら、各班一枚の模造紙に展開した。(アイデア1枚は其々独立したプランだが全員のアイデアとの共通項や関連性を考えることによりより充実したプラン作りに貢献することができる。)
 そして懇親会場の場で各班でまとめたアイデアマップの結果を発表した。皆、KJ法等の経験者であるので、短時間に、各自のアイデアを総合的な観点からまとめて、課題解決への方向性を見出すことができた。

(参考例)地域を良くするためのアイデアシートは、それぞれが思い描く活動や地域資源の活用方法などを、タイトル、概要を文字で記し、その様子をイラストで表現します。
 ここでのアイデア例は、農業の再活性化には、国内市場が急速に伸びている漢方薬(薬草)づくりを進め産地化する。世界的に原材料調達が厳しくなっている中、国内企業との安定した取引を望めるように品質管理棟持続的なノウハウも要するのでライバルの参入も容易ならず、長期的な産業化への期待もできることから、若者や都市からの移住者の仕事のひとつとしても大いに期待できる。
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追伸、令和のミニ移動大学が始まろうとするような熱気のなか開かれた交流会は、移動大学やフィールドワーク調査の手法についていろいろな話が出た。川喜田二郎氏と宮本常一氏は交流はあったのだろうか?フィールドワーク調査についてどう考えていたのだろうか等の話が出て、『調査されるという迷惑フィールドに出る前に読んでおく本』というのがあるという情報を得た。https://mizunowa.com/pub/182/
・宮本常一は「調査地被害」論文で誰を批判したのか?
https://note.com/kadotatakehisa/n/n2ffb502c06e6
・移動大学については、先端教育オンライン(有料)制度の外側に学びの場をつくる −「旅する大学」の取り組みを通じて
https://www.sentankyo.jp/articles/0e20fe10-e4e3-4b87-bc3b-5f486991906d
興味がありましたらぜひ閲覧を!

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posted by オーライ!ニッポン会議 at 13:27| 住民主体のワークショップ