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2025年04月24日

地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出

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地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出
農林水産物の利用促進

六次産業化・地産地消の推進により、農林漁業の振興等を総合的に図ることを目指して、15年前の平成22年12月3日に「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律」が公布されました。
この法律の重要なポイントは以下の2つ。

1.農林漁業者による加工・販売への進出等の「6次産業化」に関する施策
2.地域の農林水産物の利用を促進する「地産地消」に関する施策

1.の「6次産業化」はどちらかと言えば、農業サイドへの施策。対して、2.「地産地消」は、消費者にとっても影響がある施策と言えます。

地産地消の範囲は、定まっていませんが通常は県内。国内(国産)という考え方もあります。できるだけ近くで生産されたものを近くで消費すれば、鮮度も高く(より栄養価が高い)、運送費も軽減されます。しかしその地で収穫・製造できない食品・農林水産物もあり、地産地消の代表的な場である「農産物直売所」では、北海道等ではミカンなどの柑橘系が、また西南日本では、リンゴなどが直売所同士のネットワークで提供されていることもあり、それが人気でまた食の楽しみの一つとなっています。

ところで、食についてのコストパフォーマンス、便利さを過度に追及すると、気づいたらお店がなくなっていた、その食料が急に手に入らなくなってきた等、突然の出来事に総遭遇する可能性もあります。命を支える「食」については、生産から供給の実態を踏まえ安心して未来も食べられることを考える必要があります。行動変容のためには、先ずは「情報」です。

・この法律の以下の前文からは、6次産業化と地産地作の関係、さらに、この法律を通して農業・農村を総合的に振興する意義がわかります。

 農山漁村は、長年にわたって我が国の豊かな風土と勤勉な国民性をはぐくみ、就業の機会を提供し、多様な文化を創造してきた。
 また、農林漁業の持続的かつ健全な発展は、その有する農林水産物等の安定的な供給の機能及び国土の保全等の多面にわたる機能が発揮されることにより、農山漁村の活力の維持向上に寄与するとともに、国民経済の健全な発展と国民生活の安定向上に貢献するものである。
しかるに、我が国の農林漁業及び農山漁村は内外の様々な問題に直面しており、農林水産物価格の低迷等による所得の減少、高齢化や過疎化の進展等により、農山漁村の活力は著しく低下している。
 我々は、一次産業としての農林漁業と、二次産業としての製造業、三次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す六次産業化の取組と、地域の農林水産物の利用を促進することによる国産の農林水産物の消費を拡大する地産地消等の取組が相まって、農林漁業者の所得の確保を通じて農林漁業の持続的かつ健全な発展を可能とするとともに、農山漁村の活力の再生、消費者の利益の増進、食料自給率の向上等に重要な役割を担うものと確信する。
 同時に、これらの取組は、農山漁村に豊富に存在する土地、水その他の資源の有効な活用、地域における食品循環資源の再生利用、農林水産物の生産地と消費地との距離の縮減等を通じ、環境への負荷の低減に寄与することが大いに期待されるものである。
 ここに、このような視点に立ち、地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等に関する施策を講じて農山漁村における六次産業化を推進するとともに、国産の農林水産物の消費を拡大する地産地消等の促進に関する施策を総合的に推進するため、この法律を制定する。

【地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律】
https://laws.e-gov.go.jp/law/422AC0000000067

また、地産地消について、こちら(朝日新聞デジタル)の記事が参考になります。
2024.06.19 (最終更新:2025.04.15)地産地消とは? メリットやデメリット、政策や取り組み事例を解説 https://www.asahi.com/sdgs/article/15302555?msockid=0444a84ca50f695114adbafea47568b2

ところで、6次産業化と言えば、生鮮野菜を直売所で販売するほかに農産加工品が稼ぐ力として重要になります。農業関係出版社の農文協では、地域資源である農産物を活かした農家家庭の味づくりを特集していました。今ならインターネットでさまざまな料理方法の情報収集が可能ですが、農家民宿へ遊びに行くとこのいような本が所せましに置いてあり、農家民宿のおかあさんは、良くチャレンジしていました。自然い溢れた農山漁村は、人によっては刺激が少ないという人がいますが、こうした農山漁村お女性は、とても知的好奇心旺盛な人たちが多数活躍していました。こうした農家女性の人々の取組がそれがグリーン・ツーリズム(農産物直売所、農家民宿、農家レストラン、加工品づくりの都市との交流)の源泉となっていったのです。
 中山間地域農業の「稼ぐ」ための取組についても、この地産地消と行動変容は重要なキーワードになってくるでしょう。

●現代農業特別号 2002年 地産地消で所得アップ 加工の技術売り方の知恵
 https://www.ruralnet.or.jp/gn-tokubetsu/2002/index.html
●現代農業別冊現代農業 2010年1月号 農家が教える わが家の農産加工
 https://www.ruralnet.or.jp/gn-tokubetsu/betsu/201001.html

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posted by オーライ!ニッポン会議 at 13:33| 犬も歩けば棒に当たる