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2025年01月27日

食料・農業・農村基本計画 骨子(案) について

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写真:ぱくたそ[ https://www.pakutaso.com

第116回食料・農業・農村政策審議会企画部会が1月22日開催されて、食料・農業・農村基本計画 骨子(案) が示されました。https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kikaku/bukai/250122.html

なお 【基本計画の実効性を高めるため、食料安全保障の確保に関する目標や施策の有効性を示す KPI を定めることとし、少なくとも年1回、その目標の達成状況を調査・公表、KPI の検証により PDCA サイクルによる施策の見直しを行う。】と記述されており、別紙【目標・KPI の検討案】が示されている。
https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kikaku/bukai/attach/pdf/250122-4.pdf


★食料・農業・農村基本計画 骨子(案)
https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kikaku/bukai/attach/pdf/250122-14.pdf
1 従来の基本法に基づく政策全般にわたる検証及び評価並びに今後 20 年程度を見据えた課題の
  整理を行い、食料・農業・農村基本法を改正(令和6年6月5日施行)。
2 改正基本法で掲げる基本理念に基づき基本的な施策の方向性を具体化する
 食料・農業・農村基本計画(以下「基本計画」という。)は、初動5年間で農業の構造転換を
 集中的に推し進めるため、計画期間は5年間として定める。
3 基本計画の実効性を高めるため、食料安全保障の確保に関する目標や施策の有効性を示す KPI
 を定めることとし、少なくとも年1回、その目標の達成状況を調査・公表、KPI の検証により
  PDCA サイクルによる施策の見直しを行う。
4 食料・農業・農村は、食料安全保障に関わる大きな情勢の変化や課題に直面。
(農業者の減少・高齢化)
 ・我が国は、農業者の減少・高齢化が著しく進展。我が国の食料需要を賄うために
  必要な農地の3分の1しかない中、この農地をフル活用し、現在よりも相当程度少ない農業経
  営体で、国内への食料供給を担う必要。その際、生産性向上、付加価値向上による所得の確
  保・向上が課題。
(国際的な食料需要の増加、食料生産・供給の不安定化)
 ・世界人口は急増し食料需要も増加する一方、気候変動による異常気象の頻発化、
  世界各地における地政学的リスクの高まりなどにより生産・供給も不安定化。
 ・食料や生産資材の買付けをめぐる競争が激化する中、必要な食料や生産資材の安定的な輸入に
  懸念が生じている。
(人口減少に伴う国内市場の縮小)
 ・国内市場への供給のみを想定した農業生産・食品生産を続けていくならば、
  将来の事業拡大や投資の意欲を削ぐことにもなるため、海外から稼ぐ力の強化が必要。
(食品アクセスの問題の顕在化)
 ・高齢者等を中心に食料品の購入や飲食に不便や苦労を感じる者、いわゆる買物困難者や、
  経済的理由により十分な食料を入手できない者が増加。
(生産資材の高騰)
 ・飼料や肥料の価格上昇に、農産物価格の価格上昇が追い付いていない状況。
(地球温暖化問題、生物多様性の保全への対応)
 ・SDGs(持続可能な開発目標)への取組・意識が世界的に広く浸透し、
  農業・食品産業に対しても、対応が社会的に求められている。
(中山間地域をはじめとした農村の地域社会の維持が困難)
 ・農村では、都市に先駆けて人口減少・高齢化が進んでおり、農業生産活動に必要な集落による
  共同活動の実施率が低下。また、農村内の非農業者も今後大幅減少。
 ・特に中山間地域は、全国の総農家数、耕地面積、農業産出額のそれぞれ約4割を
  占める重要な地域であるが、農業生産条件が不利。所得の確保・向上が課題。
(自然災害のリスク)
 ・気候変動に伴う豪雨の頻発化・激甚化。南海トラフ地震等大規模地震の発生が切迫。
5 改正基本法で定める、基本理念の実現を図る観点から、
 5つのテーマ(@我が国の食料供給、A輸出の促進(輸出拡大等による「海外から稼ぐ力」の強
 化)、B国民一人一人の食料安全保障・持続可能な食料システム、C環境と調和のとれた食料シ
 ステムの確立・多面的機能の発揮、D農村の振興)で整理。

★別紙【目標・KPI の検討案】のうち【5 農村の振興】については、
1.多様な人材が農村に関わる機会の創出
  目標例:○計画期間中に農村関係人口の拡大が見られた市町村数
  主な施策:・関係省庁連携の下、官民共創の仕組みによる民間企業等の参画促進や資金・人材
        の確保
       ・中山間地域におけるデジタル技術を活用した活性化や二地域居住の推進
       ・都市農地の有効活用、市民農園・体験農園の整備促進
  KPI(2030 年)(例):・農村関係人口の増加に向けた取組が行われている市町村数
 △1−1.経済面の取組(所得と雇用機会の創出)
  目標例:○農山漁村地域において創出された付加価値額
  主な施策:・農泊や農福連携等、地域資源をフル活用し付加価値のある内発型の新事業創出
       ・農泊の実施体制の構築、インバウンドを含む旅行者の農山漁村への誘客促進、宿
        泊単価向上(高付加価値化)に資する取組の推進
       ・市町村、農業や福祉の関係者等が参画する地域協議会の拡大、ノウフクの日(11
        月29日)等による取組の意義や効果の理解促進、ユニバーサル農園の拡大等の推
        進
  KPI(2030 年)(例):
   ・地域資源を活用して付加価値額向上に取り組む事業体の割合
   ・農泊地域における宿泊等の売上額
   ・農泊地域での年間延べ宿泊者数
   ・農福連携等の取組主体数
 △1−2.生活面の取組(人が住み続けるための条件整備)
  目標例:○計画期間中に農村関係人口の拡大の取組が移住・定住につながった事例のある市町
       村数
  主な施策:・農村コミュニティ維持に資する農村RMOの立上げと活動充実の推進
       ・交通空白地等での移動手段確保
       ・農業集落排水施設、農道等の再編・強靭化、高度化等を推進
  KPI(2030 年)(例):・中山間地域で9戸以下の集落を有する市町村のうち、農村RMOが
              活動している市町村の割合
2.地域の共同活動の促進
  目標例:○地域の共同活動の促進による農業生産活動の継続
  主な施策:・共同活動を行う組織の広域化や多様な者の参画等による体制強化
  KPI(2030 年)(例):・多面的機能支払交付金、中山間地域等直接支払交付金における共
              同活動の体制強化に取り組む組織の割合
3.中山間地域等の振興
  目標例:○中山間地域等の振興
  主な施策:・共同活動を行う組織のネットワーク化や多様な者の参画等による体制強化
       ・地域特性を活かした高収益作物の導入等の支援
       ・農村コミュニティ維持に資する農村RMOの立上げと活動充実の推進
  KPI(2030 年)(例):・中山間地域等直接支払交付金における共同活動の体制強化に取り
              組む組織の割合
4.鳥獣被害対策
  目標例:鳥獣被害の防止
  主な施策:・ICTの活用等による効果的・効率的な捕獲対策や、防護柵の集落単位での設置と
        適切な維持管理、高度な人材の育成
       ・ジビエ利用拡大に向けた知識・技術の向上と人材育成、処理加工施設等の整備、
        新たな需要の喚起
  KPI(2030 年)(例):
   ・野生鳥獣による農作物被害額の総産出額に対する割合
   ・捕獲鳥獣のジビエ利用量

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posted by オーライ!ニッポン会議 at 10:26| 全国中山間地域振興対策協議会