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2023年09月01日

令和6年度の農林水産関係予算概算要求の概要が農林水産省から発表されました。日本の食料生産を守る重要な予算です。

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令和6年度の農林水産関係予算概算要求の概要が農林水産省から発表されました。

総額2兆7,209億円(2兆2,683億円) ※( )内は令和5年度当初予算額
https://www.maff.go.jp/j/budget/r6yokyu.html

中山間地域対策としてとても重要な予算は、

3 農村の振興(農村の活性化)〜元気で豊かな農村を次世代へ継承〜

○ 農泊地域への支援・6次産業化・農福連携等の農山漁村発イノベーションの推進、農村RMOの形成や裾野拡大、棚田地域振興や地域づくり人材の育成、中山間地域等における農用地保全を軸とした最適な土地利用の推進
 農山漁村振興交付金117億円(91億円)
  68 農山漁村振興交付金  https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r6yokyu_pr68.pdf
   ・農山漁村発イノベーション対策 (農泊推進型)
   ・農山漁村発イノベーション推進・整備事業(農福連携型)
   ・中山間地農業推進対策
   ・農村型地域運営組織(農村RMO)形成推進事業
   ・ふるさと棚田支え合い事業
   ・最適土地利用総合対策
   ・情報通信環境整備対策
   ・都市農業機能発揮対策

○ 狩猟組織の体制強化やシカの集中的な捕獲など鳥獣被害防止対策の推進と ジビエ利活用の拡大
 鳥獣被害防止対策とジビエ利活用の推進 122億円(97億円)
 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r6yokyu_pr70.pdf

5 多面的機能の発揮 〜食料供給・農業生産活動の前提となる基盤をしっかりと下支え〜
○ 日本型直接支払による多面的機能の維持・発揮のための共同活動や中山間地域での農業生産活動継続への支援 
 多面的機能支払交付金 488億円(487億円)等
 77 日本型直接支払 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r6yokyu_pr77.pdf
   ・多面的機能支払交付金
   ・中山間地域等直接支払交付金
   ・環境保全型農業直接支払交付金

※農村RMOについては、下記の事業で集中的に支援します。
 68 農山漁村振興交付金 https://www.maff.go.jp/j/budget/pdf/r6yokyu_pr68.pdf


全国中山間地域振興対策協議会
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posted by オーライ!ニッポン会議 at 16:00| 全国中山間地域振興対策協議会

海業って知っていますか?

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海業って知っていますか?

●水産庁は、令和5年8月31日、海業の事例集を発表しました。
https://www.jfa.maff.go.jp/j/press/keikaku/230831.html

●海業とは、
海や漁村の地域資源の価値や魅力を活用する事業であり、国内外からの多様なニーズに応えることにより、地域のにぎわいや所得と雇用を生み出すことが期待されるもの。
具体的には、漁港において、❶渚泊・体験・観光 ❷釣り・マリンレジャー ❸飲食・販売 ❹漁港活用の増養殖 ❺市場見学・加工場活用の要素を一つあるいは、複数もった活動を展開していものを指しています。

●なぜ、水産庁は、海業を推進しているのでしょうか。
それは、漁村では、全国平均を上回る速さでの人口減少や高齢化の進行等によって活力が低下しており、漁村のにぎわいを創出していくことが重要な課題となっていること、
そこで、豊かな自然や漁村ならではの地域資源の価値や魅力を活かした海業(うみぎょう)の振興により、雇用機会の確保と地域の所得向上を図ることが必要であることから、
水産庁では、令和4年3月に策定した水産基本計画、漁港漁場整備長期計画において、海業の振興を位置付けたのです。

●海業振興のモデル形成地区
 また、水産庁は、5年間でおおむね500件の漁港における新たな海業等の取組実施に向け、海業振興の先行事例を創出し広く普及を図っていくため、海業振興のモデル形成に取り組む意欲のある地区を募集しました。この応募があった地区の中から海業振興モデル地区公募要領の選定基準等に基づき審査を行った結果、令和5年3月、12件の海業振興モデル地区を選定しました。
選定した「海業振興モデル地区」は、下記のとおりです。

1 北海道寿都町(すっつちょう)寿都漁港
 ダイビングの運営やプレジャーボートの受入れ、漁港エリアの宿泊機能の強化、昆布漁体験や漁船クルージング等の運航、「道の駅」を集客拠点とした漁港エリア観光の推進、「浜直市場」での水産物直売機能強化、次世代海業振興人材の育成 等

2 岩手県大槌町(おおつちちょう)吉里吉里漁港(きりきり)
 磯焼け対策として駆除したウニの漁港内静穏域を活用した蓄養、観光交流協会や地域おこし協力隊と連携し藻場再生活動を組み込んだスキューバダイビング、小中高を対象とした海洋学習 等

3 神奈川県逗子市(ずしし)小坪漁港(こつぼ)
 刺し網やわかめ漁などの 漁業体験、観光遊漁船クルーズ、漁船による海上タクシー、磯焼け対策により駆除したウニ養殖体験、漁師による水産物の直接販売、民間活力による既存漁港施設改修 等

4 福井県高浜町(たかはまちょう)高浜漁港
 観光協会と連携し教育旅行受入れを見据えた漁業体験、旧荷捌き所を活用した体験施設の整備、定置水揚げの鮮魚直売の朝市開催、海鮮BBQ場整備、海辺のカフェ整備(民間企業誘致) 等

5 静岡県沼津市(ぬまづし)戸田漁港(へだ)戸田観光協会
 海の駅認定による「マリンチック街道」の登録と活用、漁港におけるプレジャーボートやヨットの受入れ事業化、海の駅を活用したヨットレース等の開催、大型クルーズ船などの招致と事業化 等

6 静岡県牧之原市(まきのはらし)地頭方漁港(じとうがた)南駿河湾漁業協同組合(みなみするがわん)
 旧漁協事務所や荷捌き所、漁港用地等を活用した蓄養施設や直売所、食堂設置、漁業体験を含む観光プログラム(漂流ごみやマイクロプラスチック、磯焼けのことを知ってもらう場の設定)、漁船クルージングやマリンレジャーの体験 等

7 三重県明和町(めいわちょう)下御糸漁港(しもみいと)一般社団法人明和観光商社
 プレジャーボートの受入れやダイビングの運営、防波堤や釣り利用の開放や釣り用生け簀の設置、渚泊、漁船クルージングの運航、直売所の開設、朝市の開催、漁港の静穏水域でのカキ養殖、スジアオノリの陸上養殖 等

8 兵庫県新温泉町(しんおんせんちょう)居組漁港(いぐみ)浜坂漁業協同組合(はまさか)
  漁業と調和のとれた海域利用によるシーカヤックやSUPでの漁港周辺の絶景ポイント観光、海上アスレチックやジップラインの運営、地元海産物の販売や刺身捌き体験、バーベキューができる施設の設置等

9 和歌山県太地町(たいじちょう)太地漁港 太地町漁業協同組合
 漁業者による渚泊(漁家及び漁村家庭での宿泊・聞き語り体験)、シーカヤックやSUP事業の教育旅行や学年行事の推進、ダイビングや各種マリンスポーツ、海上遊歩道に併設した釣り用筏の設置 等

10 愛媛県愛南町(あいなんちょう)柏崎漁港(かしわざき)御荘漁港(みしょう)船越漁港(ふなこし)西浦漁港(にしうら)深浦漁港(ふかうら)愛南町
  駆除ガンガゼを除去し特産品のブロッコリーを給餌する養殖、水産加工品の端材を使った商品等を販売するエシカルマーケット、企業と連携した、持続可能な養殖業を学ぶサステナブルツーリズムやゴミ回収などのクリーンオーシャンツーリズム 等

11 長崎県対馬市(つしまし)比田勝港(ひたかつこう)泉漁港(いずみ)鰐ノ浦漁港(わにのうら)豊漁港(とよ)大浦漁港(おおうら)富ケ浦漁港(とみがうら)唐舟志漁港(とうじゆうし)浜久須漁港(はまくす)上対馬町漁業協同組合
 港湾のターミナル機能拡充等による受入体制の充実と合わせ各地域へ観光客を誘導するためのシステム構築、漁師が提供するアドベンチャーツーリズムによるインバウンドからの外貨獲得(旬の高級魚や未利用魚の提供、マリンレジャー体験等) 等

12 熊本県天草市(あまくさし)牛深漁港(うしぶか) 天草市
 地域総合交流施設の整備(漁業体験プログラムの運営等)、オートキャンプ場やホテルなどの企業誘致、ヨットやプレジャーボートなどマリーナスペースの整備、海釣り公園の設置、直売所や飲食店の開業、アワビやウニ類の増養殖場の整備 等

●今回発表した海業の事例集で紹介されている事例は以下の23か所

1.静穏水域を活用したサーモン海面養殖試験:熊石漁港(北海道八雲町)
2.漁協施設の整備と漁業体験プログラムによる新たな集客と販売力強化:歯舞漁港(北海道根室市)
3.水産物直売所による漁港施設用地の有効利用:北斗漁港(北海道北斗市)
4.サーモン海面養殖業による「つくり育てる漁業」の推進:北金ヶ沢漁港(青森県深浦町)
5.サーモン養殖等の地域資源を活かした産業・観光・教育振興:吉里吉里漁港(岩手県大槌町)
6.「気仙沼まちなかエリアビジョン」による水上アクティビティ拠点の創出:気仙沼漁港(宮城県気仙沼市)
7.漁村生活における様々な体験の提供をとおした交流人口の拡大:由良漁港(山形県鶴岡市)
8.海洋深層水を活用したエゾバフンウニの陸上養殖:多田漁港(新潟県佐渡市)
9.防波堤の釣り場開放:姫津漁港(新潟県佐渡市)
10.石田フィッシャリーナを利用した地域活性化:石田漁港(富山県黒部市)
11.海洋レクリエーション拠点による漁村地域の活性化:水橋漁港(富山県富山市)
12.グランピング施設と地域資源を活用した漁村地域活性化の取組:氷見漁港(富山県氷見市)
13.「漁具倉庫」等を活用した新たな観光需要への対応:焼津漁港(静岡県焼津市)
14.民間と連携した海上釣り堀事業等による漁業所得向上:田尻漁港(大阪府田尻町)
15.クジラを核とした観光との連携:太地漁港(和歌山県太地町)
16.漁港の未利用施設を活用した直売所等の取組:箕島漁港(和歌山県有田市)
17.境漁港におけるおさかなパーク・水産物直売センターによる交流人口の増加: 境漁港(鳥取県境港市)
18.漁協自らがプレジャーボート用浮桟橋「横田シップステーション」を整備・運営:横田漁港(広島県福山市)
19.カキ小屋常設化による水産物の競争力強化:船越漁港(福岡県糸島市)
20.漁村と市民が交流・ふれあいのできる場所の提供:脇田漁港(福岡県北九州市)
21.イルカと漁業が共存する観光振興と水産物の販売力強化:二江漁港(熊本県天草市)
22.漁協直営施設を核とした漁港漁村地域の賑わい創出:目井津漁港(宮崎県日南市)
23.いーしま海人遊学による漁業体験学習の実施:具志漁港(沖縄県伊江村)

●NHK「漁業から“海業”への転換」
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230609/k10014094901000.html


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