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2023年02月01日

10年先、さらには、100年先の自分たちの地域の基礎づくりを目指しましょう!

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3年ぶりに再開した徳島県の地域再生寄り合いワークショップは、2回の参加者による自主作業と3回のワークショップを無事に終えました。

2回の自主作業は、地域資源の発掘をするための自主フィールドワークと
地域を元気にするためのアイデアの創出(イラスト付きでアイデアを各自3枚企画する)作業です。(これは個人作業)

これら作業と参加者との意見交換により地域再生のアイデアの集約と実行計画づくりの話し合いを3回のワークショップで進展させていいきました。
ファシリテーター役の私にとっても大変得るものがありました。
毎回感じるのですが、ワークショップの回を重ねるごとに参加者どうしの話も弾み、それぞれが笑顔ややる気がみなぎる顔になってくるように思えるのです。

結果から逆算するとアイデアを考えるのならば、
最初からアイデア企画を行えばよいように思えますが、
まず地域の課題や問題点を皆さんで話し合い、情報を把握する。
そして、普段過ごしている地域をフィールドワークすることで、
何が資源になるのか、自分が地域について、どのような思い出や思いを抱いているのか再認識することができるのです。
つまり段階を踏んでいくことで、その意味合いも深まり、自分の考えも明確になってくるという効果が出てきます。

地域資源の発掘再発見は、写真撮影を行います。
手引きに基づき、自分が資源と思ったものを撮影します。
それを皆さんがグループに分かれて分析し資源地図を作成しました。(第2回WS)

話し合いは、地域に住む皆さんが何をどう考えているかを知ることにもつながります。
ワークショップの途中でも、参加者の皆さんから、私とおんなじことを考えている人がいた。とか、みんな地域への思いがあることを再認識したという声(独り言が多い)をワークショップ中に良く聞きました。

人がいない、若い人が少ない、だんだん田畑の維持(手入れ)に体がしんどくなってできなくなった等、悲しい声もありますが、それでも皆さんと一緒に何かしたい、地域を守り、後世に残し伝えたいという思いが、多くの参加者にあるのだと認識して、皆さんの明るい笑顔が増えたように思いました。

課題も多く、現実的な問題も簡単には片付きませんが、地域への思い、何かできることからはじめようとする意志を多くの人が共有するだけでも大きな効果があります。

地域再生寄り合いワークショップの方法のところどころに、
KJ法の手法が取り入れられていますが、
KJ法を知らない人でも十分ワークショップに参加し
アイデア創出をしていくことができます。

地域再生寄り合いワークショップはKJ法を学ぶためのものではありませんが、
KJ法の活用方法として、とても馴染みやすいものですし、
皆さんのやる気がどんどん増すように思います。

最近は、地域の皆さんも各地の活性化事例について、
さまざまなところから情報を入手して、
ひと昔前のコンサルタントが話す程度のことは皆さんも十分に知っています。

良く失敗例を教えてくださいと、講演などで聞かれます。
でも、失敗例を聞いて、取り組んだとか、成功したとかは、聞いたことはありません。
大概の人は、やらない理由を探して言うのでしょうか。
そんなに難しいのならやらない方がいいやと。

失敗しないためには、人材を用意し、体制システムを整備し、
商品やサービスの企画開発し消費者へのマーケティングをするといいですよと
失敗しないための方法を丁寧に教えてくれますが、物凄く経費がかかりそうです。

そして、そうしたノウハウを持つ人材がいないので、結局、委託することになります。
お金儲けでは、外部機能を有効に活用し、利益を得る方法をきちんと考えることが大事ですが、競争のある社会ですから、いくら体制整備しても、常に起こる競争や予期しないでアクシデントに対応し打ち勝つ努力を続けていかねばなりません。
結局、実践する人に、ノウハウも果実も集約されます。

地域づくりがお金儲けのビジネスとは根本的に異なるのは、
そこにいる人による取り組みで、お金の流れを作るとともに、
そこに暮らす人の幸せをもたらすことにあります。
それを農山漁村コミュニティビジネスというもので捉えています。

でも、どうやればよいのか。自分だけで取り組むのに、失敗や不安が先にきます。
何かをしたいとおもっても、強烈なリーダーシップを持った人もどこにもいるわけではありません。普通の人が取り組むには、不安の解消策や進むための力強い仲間も欲しいとことです。

地域内に同じように地域を良くしたいと思う仲間がいることを再確認し、
できることから少しずつやっていこうという雰囲気にもなっていく、
それが寄合いワークショップの方向性です。
ひとり、ひとりが主役であり当事者です。
地域づくりというドラマのなかで、自分の役割として、脚本(企画)を考え、
それを役として演じて、協働で監督する、ひとりひとりが考えながら
ひとつの町や村の活性化につながるドラマを作っていくように思えます。

地域再生寄り合いワークショップの発案者でもある山浦晴男先生は、
このことを次のような言葉でワークショップを締めくくります。
『伝統の力に革新の力を加え、10年先、さらには、100年先の自分たちの地域の基礎づくりを目指しましょう!」

地域を元気にするためのアイデア出しを行うと、
なんとなく自分も元気になっていくように思えませんか?


★住民主体による地域づくりのための「地域再生寄合いワークショップ」とは
 https://blog.canpan.info/ohrai/archive/584

(一財)都市農山漁村交流活性化機構
地域再生寄合ワークショップ事務局

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posted by オーライ!ニッポン会議 at 06:03| 住民主体のワークショップ